No.00

―…偶然などない、あるのは必然のみ



ふと懐かしいフレーズが頭に響く

これは確か…とある漫画に掲載していた台詞だった筈。印象的なので、記憶に残っていたのか


自身の環境に戸惑いを隠せないのは、百も承知
だがそれは極当たり前で


「ねぇね」



眼前にいるのは、我が弟である藤島鳴海…御歳3歳。だが俺は一人っ子で、藤島という名字でも無く



―…燐!これ読んで見て!!

―…何じゃ、こりゃ?

―…現在私オススメ!

―…ライトノベルか。しかも巻数結構あんな…ってオイ、待てや。コレ読めと?

―…ウフフ、燐も腐女子に近付きつつあるねぇ…

―…誰がだ、誰が。大体お前が、押し付けてるだけだろーが

―…私は仲間を増やしてるだけさ!!

―…えげつねー



記憶の奥底にある、傍迷惑な友人とのやり取りを思い出し、背中に冷や汗が流れる


ちょいと待ってくれ


俺は今もしかしなくとも、とんでも無い状態に陥っていないか?



「ねぇーね」



まぁとりあえずは、だ



『………いきてみる、か』



知らぬ間に気付いたら、知らない世界へ生まれ変わってた

つーか!首謀者、出てこいや!!


11.11.06.




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