No.07

『ナル?』

「………」



室内に篭りきりの弟に声を掛けるが、全く反応無し。こりゃよっぽど彼への襲撃が応えてんな…意識は未だに戻らんらしいし。だからってコレはいかん、平坂組の馬鹿共は決起するぞ。莫迦だから



『ナル、このままで良いのかい?』

「だって…四代目が…」

『その四代目だっけ?んな簡単にくたばる人なのか?』

「そんな事ないっ!!」



珍しい、弟が叫ぶなんて
だがそれ程、彼を信頼しているのだろう。無駄に面倒見良いからなぁ、我が弟はソコに惹かれたのかもしれないな



『ナルが部屋に篭っていてもな、その四代目が意識を取り戻す訳でも、事態が良い方向に進む訳でもない』

「…そ、それは…」



彼と義兄弟の盃を交わしたのなら、託されている筈だよ。だが彼はそう易々と、他人に託す人ではない



『今、鳴海にやるべき事がある筈だろう。いや…鳴海にしか出来ない事が』

「…僕に、しか、出来ない事…」



伊達や酔狂で彼は、義兄弟の盃を交わさない。彼は彼なりに、我が弟を認めているのだろう。そう考えると、血は争えないっーか何っーか…



『部屋に篭ってないで、外に出なさい。何か分かる筈だ』

「……………」

『雛村壮一郎は、んな簡単にくたばらないよ』

「えっ?」



俺に出来る事はこれ位、後は鳴海次第。ま、上手く立ち回れるだろう

この子はキレると何故か、妙に頭の回転が早くなって度胸も出てくる



『…血筋、かねぇ…』



ふと弟の将来が不安になってきた…詐欺師とかにならんでね

まぁ、彼がいれば大丈夫だと思い、たい…うん…


11.11.29.




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -