04-lane

開通式と一緒に拝命式もすると、駅長から通知が届きました

それからというもの、サータは急激に多忙。彼女が不在でも整備士の方々が働ける様にと、色々采配を取っていらっしゃるのでございます



『……死ぬ……』

「サータ、大丈夫?」

『……だめ……』



サブウェイマスターとして働ける様にと、駅長室内にサータ専用のデスクが設けられました。これも駅長からの手配でしょう

とはいえデスクに置いてあるの書類や資料は、整備士関連のみですが…



「サータ。コーヒーはいかがですか?」

『…クダリ、ちょーだい』

「…重症だ。僕とノボリ、間違えてる…」



デスクにへばりつく様にぐったりするサータ、余程疲れていますね。いつもならば、私とクダリを間違えないのですが…

そうです。彼女に届け物がありました



「駅長からコチラが送られてきましたよ」

『あ?』



サータに届けられたのは、大きく平たい箱。恐らく衣装箱でしょう

疲れた身体に鞭打つ様に、サータはゆっくりと箱を受け取りました



『ジジィか、ら………』



デスクに箱を置き、蓋を開けたサータは目を見開いて固まってしまいました。クダリと首を傾げながら、箱の中身を覗いてみると…



「わぉ!」

「これは……」



その中には淡いグレイの、見覚えのあるコートがございました

クダリが風邪で倒れ、サータに代理を頼んだ際に、使われたコートでございます。私記憶力には自信がございますので、間違いありません



「……以前サータが着たコート、ですね…」

『あのクソジジィ…ここまで見越してたな…』



私達の揃いで色違いの、サブウェイマスター衣装一式が、箱の中に収められておりました

駅長は全てを…あのタヌ…失礼…



「グレイのコート!僕達のまんなかの色だ!」

「何か…意味がおありなのでしょうか?」

『……中間色、ね。さしずめ白にも黒にも染まらない、って意味か?ジジィらしい』



成る程、私でもクダリの色でもなく

そして二人の中間にして、どちらにもなれる…という事ですか



『…ノボリ、更衣室どっちだ?』

「あちら、ですが」

『おう』



衣装箱を持ったサータは更衣室に向かい、そして暫くすると……



『こんなもん、か?』



サブウェイマスターの制服に身を包んだサータが、私達の前に姿を現しました


淡い色のグレイのコートを羽織り、同じグレイの制帽を被り、私達とは違うお色の濃紺のネクタイを絞めておられます

整備士長の証である金と赤のピンバッジは、制帽の庇にお付けになられていました



「うわぁ!サータすっごく似合ってる!!」

「大変良くお似合いでございます、サータ。そういうばクダリは、初めてご覧になるのでしたね」



灰色のマスター

(どうなさいましたか?)
(……サイズがピッタリ)
(((……………こわっ!)))


***
駅長は昼行灯
漸く前作の最後の伏線回収←


11.11.19.

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