それは唐突だった
「サータさん」
『あ?』
ポケモン数値が分かる青年ジャッジが、俺に相談に来たのだ
正直な話、俺はポケモン数値にゃ全くもって興味が無い。それは恐らく俺が元々カントー出身であり、育った故にだろう。持ちポケにカントー勢を使用しているのは、一種のこだわりに近い
そして尚且つポケモン数値によるブリーダーの育成も、俺にとっては疑問を抱くモノだった
『…また、か…』
「…はい…」
数値"だけ"で、自身の仲間を決めてる様なものだろう?
それで気に入らねぇなら捨てるブリーダーも少なくない…吐き気がする
『今回はどういった理由だ?』
「…思っていた数値と違うって…僕の目の前で…」
『あり得ねぇ…!!』
実はこのギアステでも、この一件が問題になっていた。だがブリーダーの質が上がらない以上、どうにもならない
下手すりゃ、態々真夜中にギアステへ捨てるブリーダーまでいる始末なのだから
「…僕、もう自信なくなってきました…」
『あー…止めるとか言うなよ?俺はともかく、ギアステ職員達はえらい困るから。マジで』
彼の観察力は半端無い
実際ジャッジの判定能力は俺は勿論だが、職員達のお墨付き。寧ろ正社員にスカウトしてぇくれぇだ…おっと、話が逸れた
んな判定を止めたら、数値に興味がねぇ俺はともかく、職員達が本気で困るのが目に見える
『何度も言うがな。確かにジャッジの判定が原因で、コイツは捨てられちまったかもしれねぇ。だがな、お前の判定を生かせねぇブリーダーの元にいるよか、まだマシだろうが』
「…………」
ああ、今回はかーなり重症みてぇ
過去何度も同じ事があったが、その度に同じ台詞を言い聞かせてはいたが…こう何度も味わってりゃ、へこむわな
『つか問題はブリーダーであって、ジャッジもコイツも被害者だろ?』
「……でも……」
ジャッジは未だ暗い表情をしたまま
この問題を放置したら、何れジャッジは精神を病む可能性も無くは無い
『確かにここ最近、頻繁過ぎる。ちとブリーダー達にお灸を据えねぇとな』
「えっ?」
この一件は、双子共と以前から話してはいた。そして俺達は同じ意見に達していた
それが、サブマスとしての仕事でないとしても…な
『まぁ、時期に分かる』
不敵に笑ってやれば、ジャッジは不思議そうに首を傾げるだけ
あ、そうそう。忘れる所だった
『ジャッジ。ソイツ預かるわ、何時もの育て屋さんに頼むから』
「あ、はい。お願いします」
ギアステに捨てられたポケモンは一時預かり、俺が懇意にしている育て屋さんに後を託している
彼等に育てられたポケモンは、各々に適した所へと引き取られる手筈だ
『お前も…良い人に出会えると良いな』
見抜く青年と迷子
(オラ、どーした?俺は手持ち一匹だぞ?)
(嘘だろ!?何でこんなに強いんだ!?)
(おー!やってるなー)
(良いお灸になりますでしょう)
(……良いのかな?)
***
今回はアニポケから
質の悪いブリーダーは後日、夢主に特別バトルと言う名のフルボッコ←
*ジャッジ
ポケモンの能力を数値で判定出来る凄い青年
またポケモンに関しての知識も幅広く持ち合わせ、育成のアトバイスもしてくれる
メンタル面が少々弱いが、素直で良い子
当サイトでは16歳〜18歳位
12.07.15.
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