「バトルトレイン増線とサブウェイマスター増員っ!?」
『…………………』
営業終了後
現在いらっしゃる全ての駅員及び整備士へ緊急召集をかけ、先程の話を皆様にお伝えしました
只今いらっしゃらない方々には、明日の朝礼で伝える事になっています
「しかもサータがサブウェイマスター!?」
「確かに、実力的には可能だが…」
「お前、整備士長の仕事どないすんや!?」
皆様が戸惑うのも無理ありません、何せギアステーション史上初ですから
……サータが非常に不機嫌なのも、仕方ありません
『五月蝿い、黙れ』
何て低い声色でしょう…皆様震え上がってます
『俺だってしたかねぇ。けどな…既に路線は完成、バトルトレインは完成間近…制服はある。これでどう断れるよ?』
「そ、それは…」
「サータ、こわいから…ほんっとにこわいから…」
彼女が怒るのも至極当然
整備士長の仕事をしつつ、サブウェイマスターの仕事を両立させねばならないのです
「んじゃ仕事はどうなるんだ?」
『その事で緊急召集掛けたんだよ』
「サータは整備士長とサブウェイマスター、掛け持ちするんだ」
皆様が絶句するのも分かります、私達もそうでした
『まず俺は増線される、シングルトレイン専門だ。ダブルもマルチもやらん』
「専門?」
「一つに絞っておけば、彼女の負担が少しは減ると思いまして」
サータがダブルバトルを少々苦手、と言う理由もありますが…
『基本俺は整備士長で、サブウェイマスターはオマケと考えろ。駅員達への指揮系統には手を付けねぇし、付ける気もねぇ』
「つまりぼく達駅員は、今まで通りって事」
「成る程…」
これで仮にサータへ指揮系統を与えでもしたら、それこそ過労死しかねません。彼女は本来、整備士として就職したのですから
『ここまでが駅員達、問題は整備士達だ。俺がサブウェイマスターの仕事をしちまうと、当然支障が出る』
「どうするんですか、姉御?」
室内に重い空気が漂います
サータは大きな溜め息を吐き出し、口を開きました
『…指揮系統を分ける。全体責任者及び全体指揮は俺、現場指揮は全て副長に一任する』
「…俺かよ」
確かに副長なら可能でしょう。彼は先代整備士長から働いてくれていますし
『アンタなら出来る、経験値は俺よか上だしな』
「…あいよ、任された」
采配
(あ、そうそう。俺のルカリオに、整備士試験受けさせるから)
(おいおい、大丈夫か?)
(交換条件として、ジジィを説き伏せた)
***
説き伏せたのでなく、脅した…が正しい(苦笑)
11.11.17.
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