『巫山戯んなっ!クソジジィ!!大体整備士長の仕事どうすんだ!?』
「お前さんなら掛け持ち出来るじゃろ」
『何寝惚けた事ほざく!俺がコイツらより先に過労死するわ!!』
「そんなヤワな子じゃなかっただろうに?」
『無茶振りも大概にしやがれっ!!』
サータと駅長のマシンガントークが始まって、早や数分。一向に終わる気配が見えません
サブウェイマスターと整備士長の掛け持ちとは、駅長も無理強いを仰います…
『大体車両のプログラム調整は俺しか出来ないんだぞ!!』
「そうじゃったの」
「どういう事?それってカナワタウンで調整してんじゃないの?」
おや?どういう事でしょうか?
ギアステーションの列車は、一般車両とバトル車両の二種類に分けられます
バトル車両には、ATOシステム…自動列車運転装置にて運転しています
対する一般車両は手動運転
ですが急なアクシデントが起きた場合に起動、運転士をサポートする補助プログラムを組み込んでおります
どちらのプログラムも組んだのは、カナワタウンの方々。その為、調整もカナワタウンの方々しか出来ない筈ですが…
「サータはカナワタウンの整備士達の許可を得て、列車のプログラム調整をしとるんじゃ」
『っても本家にゃ敵わねぇよ。俺が出来るのは、本当に調整だけだ』
驚きました
まさかプログラム調整出来る程の、腕前をお持ちとは…しかもカナワタウンの方々に許可を頂ける程
「サータはプログラム調整も出来る故に、最年少整備士長に抜擢したんじゃ。まぁスカウトして一年で、整備士の知識を会得した理由もあるがの」
「すごっ!!」
『元々興味があったし、その分吸収が早かっただけ』
サラリと言いますね…確か整備士の方々はかなりの年数を掛け、免許を取得する筈では?
そうなりますと、やはりサータは凄い逸材の持ち主なのでしょう
「と言うか、サータ。諦めるんじゃな」
『は?』
「既に増線工事は粗方終わっとる」
『はぁ!?』
な、何ですと?
駅長まさか、私達に内密で事を進めていたのですか!?
「バトルトレインも、カナワタウンで完成間近じゃ。お前さんの制服も出来とるしな」
『……………………』
あぁ、サータの顔色が真っ青になっていきます…
「着任命令。
本日付けで、整備士長サータをサブウェイマスターに就任とする。
近日開通予定、シングルトレイン担当。及び整備士長業務を続行とす。
任命者、ギアステーション駅長。以上」
『…………拝命、シマシタ』
新しい役職
(っ…ノボリ!クダリ!緊急召集掛けろ!!)
((了解!!/でございます!!))
***
補助プログラムは滅多に起動しません。保険みたいに捉えて頂ければ
11.11.15.
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