02-lane

『巫山戯んなっ!クソジジィ!!大体整備士長の仕事どうすんだ!?』

「お前さんなら掛け持ち出来るじゃろ」

『何寝惚けた事ほざく!俺がコイツらより先に過労死するわ!!』

「そんなヤワな子じゃなかっただろうに?」

『無茶振りも大概にしやがれっ!!』



サータと駅長のマシンガントークが始まって、早や数分。一向に終わる気配が見えません

サブウェイマスターと整備士長の掛け持ちとは、駅長も無理強いを仰います…



『大体車両のプログラム調整は俺しか出来ないんだぞ!!』

「そうじゃったの」

「どういう事?それってカナワタウンで調整してんじゃないの?」



おや?どういう事でしょうか?


ギアステーションの列車は、一般車両とバトル車両の二種類に分けられます


バトル車両には、ATOシステム…自動列車運転装置にて運転しています

対する一般車両は手動運転
ですが急なアクシデントが起きた場合に起動、運転士をサポートする補助プログラムを組み込んでおります



どちらのプログラムも組んだのは、カナワタウンの方々。その為、調整もカナワタウンの方々しか出来ない筈ですが…



「サータはカナワタウンの整備士達の許可を得て、列車のプログラム調整をしとるんじゃ」

『っても本家にゃ敵わねぇよ。俺が出来るのは、本当に調整だけだ』



驚きました
まさかプログラム調整出来る程の、腕前をお持ちとは…しかもカナワタウンの方々に許可を頂ける程



「サータはプログラム調整も出来る故に、最年少整備士長に抜擢したんじゃ。まぁスカウトして一年で、整備士の知識を会得した理由もあるがの」

「すごっ!!」

『元々興味があったし、その分吸収が早かっただけ』



サラリと言いますね…確か整備士の方々はかなりの年数を掛け、免許を取得する筈では?

そうなりますと、やはりサータは凄い逸材の持ち主なのでしょう



「と言うか、サータ。諦めるんじゃな」

『は?』

「既に増線工事は粗方終わっとる」

『はぁ!?』



な、何ですと?
駅長まさか、私達に内密で事を進めていたのですか!?



「バトルトレインも、カナワタウンで完成間近じゃ。お前さんの制服も出来とるしな」

『……………………』



あぁ、サータの顔色が真っ青になっていきます…



「着任命令。
本日付けで、整備士長サータをサブウェイマスターに就任とする。

近日開通予定、シングルトレイン担当。及び整備士長業務を続行とす。

任命者、ギアステーション駅長。以上」

『…………拝命、シマシタ』



新しい役職

(っ…ノボリ!クダリ!緊急召集掛けろ!!)
((了解!!/でございます!!))


***
補助プログラムは滅多に起動しません。保険みたいに捉えて頂ければ


11.11.15.

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