24ーlane

「姉御、そろそろ新人が来る時期っス」

『もーそんな時期か』



一般には知られてないが、ギアステーションの整備士は駅員並に存在する

ライモンシティは大都市
その地下を走る地下鉄網は、各シティに繋がっており、本数も半端ない

それと比例して、駅員と整備士の数が多いのだ



「今年はアタリがいると良いっすねー」

『…去年はハズレのオンパレードだったからな…』



整備士になるにはまず、免許を取得しなければならない
その免許も簡易に取れず、取れても研修期間が設けられる



「ま、新人も驚くでしょうね」

『ウチはウチ、ヨソはヨソ』



ギアステーションは他駅と異なる、独自整備士体制

大御所過ぎる為に、独自体制を取らざるを得ないのだ


その代表格と言えるのが、実力主義である。通常有り得ない事だが、ココではそんな悠長な事は言ってられねぇ

俺達のミス一つで、駅員も乗客も…下手すりゃ御陀仏になる様な事故を起こしかねない



「今年は何人すか?」

『15人。装備は既に発注済み』

「流石、姉御。抜かりねぇや」



緑ツナギ、作業帽、各役職を表す腕章が、ギアステーション勤務整備士の標準装備

腕章は自身の担当車両も現す、身分証明書も兼ねてる


また整備士長と副整備士長のみ、腕章でなく赤と金のピンバッチで役職を示す。これは俺達の実力を示すと共に、上の役職を示している



『つかまず、学校の教育何とかしねぇとな』

「あればっかは、どうにもならねぇっすよ。伝統になりつつあるみたいっすから」

『どうにかして貰わないとコッチが困る』



新人達は何をどう勘違いしてるんだか、バトル車両を希望する。上級生から下級生に脈々と受け継がれている、嫌な伝統だ

大抵の理由は、バトル車両の方が給与が良い…との事だが


それは大きな間違いだ

確かに一般車両とバトル車両では、作業量が違う

だが給与事態は、どちらも大差無い……というか、俺がさせた



『ったく…んな勘違いをして貰うと、人手不足にならぁ』

「あ。だから構内備品整備も、俺達の役目なんすね」

『そゆこと』



仕事がないなら、作れば良い
てな訳で構内の備品整備も、俺達整備士の担当。これで給与が平均になるって寸法さ



『さぁて。今年は何人、生き残る事やら』



新人教育

(こんなの聞いてねぇ!!)
(先輩の話と違ぇ!!)


(((あぁ…昔を思い出すな…)))


疑念から生まれた話
夢主がそんなの放置する訳ない



11.12.29.

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