22ーlane

「…サータ…」

『アータ?』



あれから数日後、アータが俺の職場に顔を出した

……妙に落ち込んだ表情で



『……何か、あったのか』

「……うん」



俺達は互いに感情を感じ取れる、特殊能力を持つ。恐らく双子故の能力だろう

その感情が強ければ強い程、尚更強く感じ取れる



『……場所を移すぞ』



今、アータに渦巻いているのは――不安と悲しみ



■■■



『ここは整備士長室だ。人払いもしたから、気兼ねなく話せ……一体何があった?』



整備士長室は最近、俺がプログラム調整やらで使用するしかない

以前はここに良く籠って、書類と格闘してたな



「……連絡、取れなくなったの」

『駆け落ちした野郎とか?』

「……うん」



差し出したコーヒーを口つけ、アータは小さく漏らす

…どういう事だ?



「サータ、わたし…わたし…どうしたら…」

『落ち着け』



表情を真っ青にさせ、アータはカタカタと震え上がる

余程アイツに惚れてんだな…



『今、住まいとかどうしてんだ?』

「…近くの、ホテル…でももぅ…」



今までホテルに泊まってたんかい!?
何でポケモンセンターに行かねぇんだよ!?

…あぁ。ポケモンの事、あんま詳しくねぇんだったわ…コイツ

だから設備とかも知らない


………箱入り娘だからなー



『ホテルは引き払え。んで俺んトコに来い、お前一人位養えるわ』

「………でも…」



俺に養われるのが嫌なのか?面倒臭いな、オイ


そういやノボリが前に、事務員が欲しいとかボヤいてたな…



『アータ。事務処理とか出来るよな?』

「う、うん…父様の書類、手伝いしてたし…」



親父の手伝い出来たんなら、問題ねぇな



『ギアステーションで事務員を募集する予定だったんだが、やってみっか?』

「いいのっ!?」

『仕事内容は親父の手伝いよか楽だから、アータがやる分には問題ねぇよ。後はお前次第だ』

「やる!やらせてっ!!」



何かしてりゃ、気が紛れるだろう

しかし…少し調べてみるか



『んじゃとにかく、ホテル引き払ってこいや』

「うんっ!!」



二組の双子

(アータ様は非常に優秀でございますね)
(すっごい、アータ!!)
((誰でも出来る書類が、何でこんな山ほどに溜まる?))


***
書類が溜まる原因はクダリのサボリ

双子編、終了


11.12.25.

[]




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -