29ーlane

「そういえば、サータ。アータってどこに住んでるの?』


クダリが書類と格闘しながら、俺に問いかけてきた

……お前本当に、書類苦手なんだな…筆、進んでねぇぞ



『俺のマンションにいるが?』



するとクダリは目を皿の様に見開く

……だから、手が止まってるぞ。動かせ



「……あれ?アータって、駆け落ちした男居なかった?」

『……連絡が取れないんだと』

「え?そーなの!?」



調べてみた所、相手は普通の一般家庭で育った…極普通の野郎

さして問題も起こしてないが…なーんか、嫌な予感がする…



『ややこしい事に、ならなけりゃ良いが…』



■■■■■



『ん?』



おい、何かの冗談か?
アイツ確か、アータと駆け落ちしたっー野郎じゃ…

何で他の女と一緒に歩いてんだ?



『オイ、あんた』

「あ?……アータ?」



まぁ、間違えるのも仕方ない
俺達は似すぎている…見分けられるのは両親とノボリクダリ兄弟、彼らの母であるリリーさんだけ



『それは俺の妹だ…ツラ貸せや』



連れの女性に男は適当な言い訳をして、俺達は人気の少ない路地裏へと向かった




『どういう事だ?』



路地裏で男と真っ向から対立する



「どうもこうもねぇよ。先にアータが浮気したんだぜ?」

『はぁ?』



なにを言ってんだ、コイツ?
アータはお前にベタ惚れなのに、浮気なんざするか



「しらばっくれんな。俺は見たんだぜ、白のサブウェイマスターと仲良さげに歩いてるトコをな」



ん?それって…俺が熱出してぶっ倒れた時のじゃね?

コイツ、勘違いしてるな



『勘違いだ。ありゃ俺が熱出してぶっ倒れて、着替えを持って来て貰ったんだよ』

「二人でか?」

『天下のサブウェイマスターが女の箪笥ん中、漁ると思うか?』



常識を考えろ、常識を

すると男は歪んだ笑みを浮かべた



「………………まぁ良い。丁度飽きてきたんだ」

『……何?』



あ、きた……だと…?



「金持ちのお嬢様だから、大層金持ってるかと思いきや。実は持ってねぇから、ガッカリしてたんだよ」

『………………』



コイツ、最初から金目当てだった?

アータを心底愛していたからの行動じゃなかったと?



「外見はまぁまぁだが、俺のタイプじゃねぇし」



………巫山戯るな



『おい』

「あ?……っ!?」



男の喉元に突き立てられる、波動弾

ルカリオも殺気をたてまくってる



『そのツラ、二度と俺達の前に出すな』



もし、出したならば…



『殺す』



偽りの思い人

(チッ!…アータ、聞いてたのか…)
(……………うん)
(あー、なんだ…良い男は他にもいるから、な?)
(大丈夫、だよ…)


新展開
ルカリオと五体目で迷い、ルカリオで


13.04.16.

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