21ーlane

「………かあ、さま…」

「アータ…」



客間に戻った俺達だったが、母様の事でアータが塞ぎこんじまった

…痛々しくて見てられねぇ位に、な



「アータ様…大丈夫でございましょうか?」

『無理ねぇよ…アータはクダリに任せるとしよう…』

「……そうね……」



アータはクダリへ、心を開いている節がある

クダリの明るさなら、何とかしてくれる筈だ


……俺だと逆効果だしな


「あら、懐かしい」

『おば様?』



突然おば様から、明るい声色が上がる

ノボリと顔を見合せ、首を捻りながら問いかけてみた



「アルバムが出てきたの」



リリーさんの手には、薄く日に焼けたアルバムが

勿論これにノボリは仰天



「な、な、な、っ!?」

「ほら、サータちゃん。これが小さい頃のノボリ」



と言って、リリーさんがアルバムの中を俺に見せてくれた

お言葉に甘えて覗いてみると、そこにはミニチュアノボリが…



『……ノボリ、お前ガキの頃から変わってねぇな…』

「母さんっ!?」



写真に写るノボリは、今と大して変わってない

……これ。売り捌いたら、儲かるだろうなぁ…



「良いじゃない、減るものじゃないし」

「…何の騒ぎ?」



騒ぎを聞きつけ、クダリとアータがこちらへやってきた

どうやらクダリが、上手くやってくれたみてぇな



『お前ら双子のガキの頃のアルバム拝見中』

「んなっ!?」

「…みたい、かも…」

「アータっ!?」



焦るクダリを他所に、意外や意外。アータもノってきた

……お前、そういうキャラだったか?



「あら、これ…サータちゃんとアータちゃんだわ」

「え?」



そーいや昔、一緒に撮った写真があったな…

全員がその写真を除き混む、うわぁ…若いよ、オイ



「………サータ。貴女も変わっていませんよ?」

『変わった覚えねぇし』



何を今更。俺は俺だろうに



「……サータらしい」



セピア色の写真

(いっそ二人共、ウチの息子達のお嫁に来ない?)
((母さん!!))
((………おば様…))


***
ノボリの母親の呼び方に迷いました


11.12.23.

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