13-lane

『お前は自己中過ぎる。以前から治せと言ったのに、まだ治ってなかった様だな』



アータとの対話は未だ続行中
昔から治せと、口酸っぱく言ってたのに治ってねーじゃねぇかオイ



「わ、私のせいじゃないっ!!」



いくら俺とて、限度がある…限度が



「いい加減にしろ!母様達に相談もせず、あんな野郎と駆け落ちしやがって!!』

「私は私の人生を歩みたいの!!」



はぁ?寝惚けた事ほざくな

そりゃテメェの人生、テメェで決めたいのは分かる。俺もそうだった…だが何故…



『ならどうして母様や父様に相談しなかった!』

「そ、それは…」



口ごもるアータに、俺は更に畳み掛けた



『結局お前は逃げただけ、何も解決してねぇ』

「逃げてないっ!」



真っ赤になりながら、アータはムキになる

それが逃げてると言ってんだよ、馬鹿が……そういう所は母様にそっくりだよ…



『……今、母様はな…俺をアータと呼ぶ』

「………え?」



どうやら母様の事は想定外だったんだろう。目を見開かせたまま、アータはその場に立ち竦む

お前だって知ってた筈だ…母様が、心が弱い事を…


だから俺を、お前と重ねてんだよ



『……家に顔を出せ』



アータにそう告げると、俺は駅長室のドアノブに手を掛けた



『いいな?』



***



駅長室から出て、盛大に溜め息を漏らす。アータとここまで言い争ったのは、一体いつ振りだろうか?



「サータ…」



そんな俺を気遣ってか、サブマス二人は不安げに歩み寄る



『悪かったな。ウチのゴタゴタに巻き込んじまってよ…』



ノボリとクダリの母である、リリーさんも巻き込んじまってるのが現状

だからコイツらだけは、巻き込ませない様にしてたんだが、な…



「僕達は別に…」

「サータ!挑戦者だ!」



突然お声が掛かる
どうやら勝ち進んだ挑戦者が現れた様だ、さて切り替えよう



『あいよ!今行く!』

「あ、サータ!」



クダリの声を無視し、俺はバトルトレインの方へと向かった

悪いな…今、お前達と真っ正面から向き合えねぇや…



「…クダリ、彼女をお願いします。私はサータを見ています、挑戦者はまだ来ていませんし…」

「…ん、りょーかい」




悲しみの連鎖

(サータ…)
(どうか、お一人で苦しまないで下さいまし)


***
くっらぁ…


11.12.07.

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