『お前は自己中過ぎる。以前から治せと言ったのに、まだ治ってなかった様だな』
アータとの対話は未だ続行中
昔から治せと、口酸っぱく言ってたのに治ってねーじゃねぇかオイ
「わ、私のせいじゃないっ!!」
いくら俺とて、限度がある…限度が
「いい加減にしろ!母様達に相談もせず、あんな野郎と駆け落ちしやがって!!』
「私は私の人生を歩みたいの!!」
はぁ?寝惚けた事ほざくな
そりゃテメェの人生、テメェで決めたいのは分かる。俺もそうだった…だが何故…
『ならどうして母様や父様に相談しなかった!』
「そ、それは…」
口ごもるアータに、俺は更に畳み掛けた
『結局お前は逃げただけ、何も解決してねぇ』
「逃げてないっ!」
真っ赤になりながら、アータはムキになる
それが逃げてると言ってんだよ、馬鹿が……そういう所は母様にそっくりだよ…
『……今、母様はな…俺をアータと呼ぶ』
「………え?」
どうやら母様の事は想定外だったんだろう。目を見開かせたまま、アータはその場に立ち竦む
お前だって知ってた筈だ…母様が、心が弱い事を…
だから俺を、お前と重ねてんだよ
『……家に顔を出せ』
アータにそう告げると、俺は駅長室のドアノブに手を掛けた
『いいな?』
***
駅長室から出て、盛大に溜め息を漏らす。アータとここまで言い争ったのは、一体いつ振りだろうか?
「サータ…」
そんな俺を気遣ってか、サブマス二人は不安げに歩み寄る
『悪かったな。ウチのゴタゴタに巻き込んじまってよ…』
ノボリとクダリの母である、リリーさんも巻き込んじまってるのが現状
だからコイツらだけは、巻き込ませない様にしてたんだが、な…
「僕達は別に…」
「サータ!挑戦者だ!」
突然お声が掛かる
どうやら勝ち進んだ挑戦者が現れた様だ、さて切り替えよう
『あいよ!今行く!』
「あ、サータ!」
クダリの声を無視し、俺はバトルトレインの方へと向かった
悪いな…今、お前達と真っ正面から向き合えねぇや…
「…クダリ、彼女をお願いします。私はサータを見ています、挑戦者はまだ来ていませんし…」
「…ん、りょーかい」
悲しみの連鎖
(サータ…)
(どうか、お一人で苦しまないで下さいまし)
***
くっらぁ…
11.12.07.
[←]