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マスルール視点「うわぁ…アスラお姉さんすごくキレイだよ!ね、アリババくん?」
「ああ、すげー似合う!モルジアナもそう思うだろ?」
「はい、勿論。アスラお姉ちゃんは何でも似合うんです…」
「「目がキラキラしてる…」」
アスラを宴に連れてきた
正直シンさん達には今のアスラを見せたくなかった。けどヒナホホさんや将軍、モルジアナ達は別だ…見せたら喜ぶと思ったし
予想以上に喜んだのは子供達だが、アスラと接触したのはモルジアナだけじゃなかったか?
「二人共、アスラと接点あったのか?」
疑問に思ったのは俺だけじゃなかったようで、シンさんが首を傾げながら二人に問いかけた
「あ、はい。文献を探している時に助けて頂きました」
「僕は王宮で迷ってる所を助けて貰ったのさ」
なるほど
アスラは文官、文献を探すのは訳ないな。アラジンに至っては…子供好きだったからだろう
『君達ね…』
あ、照れてる
褒められるのに慣れてないのか?どちらにしても貴重だ
「お、珍しいな。アスラが照れてるなんて」
『ヒナホホ様っ!』
「アスラねーちゃんだ!」
『ん?』
聞き覚えのある声が、背後から響く
アスラと後ろを振り向いてみると、ヒナホホさんの子供達が勢揃いしていた
「ねーちゃん!すげーキレイ!」
『おー。ありがとな』
「いっつもそんな格好すれば良いのになー」
『減らず口を言うのは、この口かなぁ?』
「イテテッ!姉ちゃんカンベン!」
普通に子守りしてる感じに接してるが、良いのだろうか?
……やっぱり。知らない人達が皆、固まってるな
「王宮で働いている時と、全く別人ですね…」
「まぁ驚くのも無理ないな、アレがアスラの素だ」
「男勝りでな、妻も嘆いていた…」
「そ、そうなんだ…」
言われたい放題だな、アスラ
俺はどちらかというと、今のアスラの性格の方が良い。気を使わないで話せるし、さっぱりして他の人達より会話しやすい
『……………ん?』
「アスラ?」
突然、アスラが視線を空に向ける
その視線は鋭く、何時もは雰囲気が違ってた
『なん、だ?』
空をじっと見つめる
その先を俺も追うと、僅かにだが黒い雲の様なものが見えた
あの黒い雲、嫌な感じがする
「どうした?」
「…見えて、ない?」
どうやら黒い雲は俺とアスラにしか見えてない
と言うことは…
「アスラ、まさか…」
『その、まさかだろ』
19夜 暗雲
***
マスルール視点はやはり難しい…