14
約半年、長い様で短かった平和は終わりを告げる
『………王が帰還なされた、か』
国の大気から漂う"魔"の気配が活発している、これは王がいる時でないと現れないからだ
悪魔達はこれから再び動き出す
巨大な力に牽かれ、求めて。致し方ない事ながら、俺にとっては複雑な心境だ
原因究明は急がせてはいるが、如何せん"時空間が異なる"となっては時間が掛かるのも無理はない
だがそれにしたって、時間掛かり過ぎじゃねぇ?あの道化め、手抜きしてやがったら承知しねぇ
それは兎も角
これから事態は大きく動くだろう
俺の正式補佐官任命話もそうだが、密かに俺が"本職"で動いている事を八人将の何人かは気付いてる筈
『…頭が痛い、な…』
俺にとっては此処が正念場になる
果たしてこのまま隠し通し、この事態を上手く収集出来るか…
それとも偽りのレッテルを貼られ、罪人として処刑されるか…
――さぁ、役者は揃った
――新たな舞台の幕を開けよう
14夜 開幕ベルは鳴った