―…世には未だ、一般には伏せられる事実がある

―…"これ"も、その一つ…




摩訶不思議

その言葉が一番適切だろう、この現状は



「…聞いてる?」

『あ、悪い。意識飛んでた』

「…もう」

『悪い、リリー』



裾の長いゆったりしたローブ、各寮ごとに色違いのネクタイ、そして極めつけは…魔法の教科用図書と杖ときた


ここは魔法学校ホグワーツ

魔法使い・魔女を育成する機関である



「セブルスとの時間、良いの?」

『げっ!?やべ…行ってくる!』

「はい、行ってらっしゃい」



ぶっちゃけた話、俺はこの世界の人間じゃない

何故だか知らんが、気付いたら既に此処にいて。身寄りが無いのを同情したか、校長の爺様は俺を養子に迎え、この学校に編入させた


魔力があるから大丈夫じゃろう!
とかほざいてたが、南蛮語が話せない俺にとっちゃ押し付けに近い。いや押し付けか



「遅い」

『悪かった。俺が悪かったから、眉間に皺を寄せるの止めろセブルス』



ホグワーツの裏に位置する隠れスポットな裏庭へ駆け付けると、既に奴さんはいた

セブルス・スネイプ
俺の同期であり、俺へ南蛮語を教授してくれている



『また捕まってな』

「相変わらずだな、始めるぞ」

『応』



日ノ本出身である俺は爺様から、南蛮語が分かる魔法便利道具を貰っていた。が、道具に頼っても身に付かないと、セブルスに教授して貰っている訳

まぁ俺が上手く南蛮語が喋れない事を、セブルスに見破られたっうのもあるが



『そういやセブルス。あの四馬鹿の被害、また受けたって?』

「よん…?あぁ、アイツらか、相変わらず情報が早いな」

『そりゃ同寮だからな、嫌でも耳に入る』



俺と同じ寮に、悪戯仕掛人とか名乗る四人組がおり、ソイツらは何かとセブルスを対象に悪戯を仕掛ける

…何故にセブルス?



「貴様が気にする事ではない」

『………………』



お兄さん、ローブから見え隠れする腕の怪我は何だ?

つい米神に青筋が立つ



『[アイツら、ぶっ殺す] 』

「日本語で何を言ったか知らんが、物騒な言葉な気がしてならない。止めろ」

『チッ!』



勘が良い奴だ

そんな俺にセブルスは、溜め息を漏らす



「お前は今の魔法界の現状を、きちんと把握しているのか?」

『闇の勢力…だっけ?ソイツらと交戦中』

「微妙だが、まぁ良い。とにかく油断するな、何が起きるか分からないのだから」

『…リリーにも耳にタコが出来る程、言われてるよ』



セブルスが言った様に、魔法界は危険な状態にある

このホグワーツとて、何時襲撃を受けるか分からない


……だからこそ……



「何か言ったか?」

『いや、なんも』



だからこそ、俺は爺様と密約を交わした

俺の生活と身元…その他諸々を保証する代償として、闇の勢力の襲撃時には最前線で戦うという事を


あの爺様、タヌキだ。抜け目ねぇ…

ま。俺としては何ら問題ないが



……戦国乱世の人間、ナメんなよ?



『そん時は宴と洒落こむか』



青龍と魔法

(また何か無茶な事を考えてるな?)
(お前は仮にも女性だろう…)


***
拍手で読んでみたいと希望があったので、書き上げてみたBSR×魔法in親世代

セブルスが別人…


11.11.15.



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