#04

「まぁまぁ、遠い所からいらっしゃい」
「お邪魔します」


虎徹さんの御自宅につくと、何故か大歓迎を受けた。不思議に首を傾げてると、笑みを溢しながら椿さんが、こっそり教えてくれた


『みんな、バーナビー君に感謝してるんだって。虎徹さんを支えてくれた相棒(バディ)でしょ?』
「…そんな、僕の方こそ…」


復讐心に人生を捧げる…と表現しても過言ではない以前の僕を救ってくれたのは、間違いなく虎徹さんだ
何度も僕は彼に助けられてばかりなのに、感謝されるのはお門違いなのではないか?

葛藤していた僕に椿さんは、気付いたのか。皆さんに隠れる様に、僕の頭を優しく優しく撫でてくれた


『虎徹さんと楓ちゃん、二人の仲が良くなったのは君の存在があったから。虎徹さんが変わったっていう事もあるけど、それは間違いなくバーナビー君、君の力があったからだよ?』
「…………」
『だから決して、自分を貶す事はしないで。ね?』
「…はい」


何故だろう
椿さんの言葉は暖かく、力強い。心に染み渡ってくる様な気分さえする

それだけではない。鏑木家の皆さんは僕と、家族当然に接してくれている。それが凄く暖かくて、凄くくすぐったくて、凄く…懐かしい

あぁ、家族って…こんなに暖かいものだったんだ


「どした、バーナビー?」
「いえ…何も…」


つい目頭が熱くなる
それに気付かれない様、虎徹さんから視線を逸らす

と。頭に温もりを感じた


「言っておくがな、お前はとっくに鏑木家の一員なんだ。たまにゃ羽根伸ばせよ?」


ズルいですよ、オジサン
でも…ありがとう


渇望した絆

(良い弟分、ですね)
(お?分かります、先生?)
(見てればね。だって鏑木さんソックリですよ?)
(そりゃ光栄)

***
兎視点
その絆に、兎はもう入ってる


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モドル

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