#02

社長の気前良い休暇のプレゼントに、僕達は快く甘えさせて頂きました

そして…


「お父ーさーん!」
「…楓っ…!」


漸く父娘の再会
本来なら僕は席を外すつもりだったのだが、強引に連れてこられてしまった…ちょ、虎徹さん!表情がだらしなくなってますよ!

あれ?楓ちゃんの隣にいる男の子は誰だろう?


「お帰り!お父さん!」
「おぉぅ、只今。つか楓ちゃん?と、隣にいる子は、だれかなぁ〜?」


気になるんでしょうね、男親としては。彼氏だったらどうするんだろう?


「あ、紹介するね。最近転校してきた銀ちゃん」
「「銀ちゃん?」」


けれど楓ちゃんの言葉に僕も虎徹さんも、目を瞬かせる
だが隣にいた男の子は、すぐにしかめっ面を浮かべた


「楓ちゃん!お願いだからちゃん付けは止めてって!あ、僕は銀河と言います。初めまして」


驚いたな
楓ちゃんも確り者なら、彼…銀河君も確りしている。近頃の子供は皆、こうなのかな?


「あー…銀河だから、銀ちゃんな」
「そう!可愛いでしょ?」


満面の笑みを浮かべる楓ちゃんに対して、銀河君は諦めた様に肩を落とす
流石にこれは居た堪れない


「いやいや楓。男の子に可愛いはないだろ、可愛いは」
「うん、僕もそれはどうかと…」
「えー!先生も銀ちゃんをそう呼ぶのに!」


ニューワード【先生】
思い当たる節がある。楓ちゃんが懐いているという、女性を指しているのではないか?

虎徹さんもそれに気付き、問い掛けようとした…その時だった


『銀!』


女性の…だが力強く、鈴とした声音が響く
その方向に振り向くと、そこには白衣を風に靡かせた女性の姿が

彼女の瞳は、どこか虎徹さんに似ている…そんな気がした


噂をすれば影がさす

(母さん!仕事終わったの?)
(あぁ、漸くな)
((母親ぁ!?))

***
兎視点。漸く合流…


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モドル

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