#00

カメラのフラッシュが眩く光る中、僕は漸くこのステージに上がる事が出来た
煌びやかで華やかな街・シュテルンヒルドは、ネクスト犯罪が度々起きる一面を併せ持つ都市。だからこそ設立されたHERO

憧れだった
僕は"彼"の様になれるのだろうか?真っ直ぐに、前を見る不器用な僕の英雄に


「では今回、キングの新たなバディと選ばれたご感想をお聞かせ下さい」
「僕みたいな新参者には、本当に恐縮です。先輩の足を引っ張らない様、精進して参ります」


HEROとしてまだ出発したばかりの僕を、先輩は手を差し伸べてくれた。そればかりか、バディの誘いまで。その話を聞いた時は本当に涙が出た


「僕はあるHEROに幼い頃から憧れ、この道に進む事を選びました」


正直不安は一杯ある
けれど一人じゃない。父さんも母さんも妹も、僕を応援してくれてるから


「だからこそ…先輩からバディのお誘いが来た時、真っ先に条件を出したんです」
「条件?」
「はい。僕がバディに…HEROとしてデビューするなら、名乗りたいHERO名がある。それが条件でした」


憧れを、忘れぬ様に
初心を、忘れぬ様に
想いを、忘れぬ様に
痛みを、忘れぬ様に
正義を、忘れぬ様に
根本を、忘れぬ様に

"彼"を、忘れぬ様に


あの人がいたからこそ、今の僕がいるから…


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