#01

虎徹さんがおかしい
何というか落ち込んでる、そりゃもう激しく。背中にモヤまで抱える始末なので、聞いてみたら…


「あー…最近楓に帰ってこなくて良いって言われてなぁ」
「はぁ?今度は何したんですか、貴方は?」


不器用なこの人の事だ
また何か変な事をして、楓ちゃんの怒りを買ったんだろう

だが彼から出た言葉は、僕の予想と全く違うものだった


「何もしてねぇよっ!楓の学校に新しい先生が来たらしくてよ、その先生にベッタリらしいんだわ…」
「…おや」


意外な展開がきたな
というか、性別はどっちなのだろうか?


「虎徹さん。その先生って男性ですか?女性ですか?」
「…………女」
「……あー…なら仕方ありませんね」


楓ちゃんはその女性に、母親を重ねているのだろう。早くに亡くしているのだ、無理ない。勿論それは虎徹さんも理解している、だから落ち込んでるのか


「どんな女性(ひと)なんですか?」
「…抽象的な事しか知らん」


これは、最早重症だ
どうする?このままだと仕事にも影響をきたす…困った人だな

僕も楓ちゃんが懐いたという女性が気になるし、何より虎徹さんがこのままでは…

全く仕方ありませんね、僕が手を打ってあげますよ。感謝して下さい


羮に懲りて膾を吹く

(社長から僕達に休暇が与えられるのは)
(もう、間も無くの事)

***
兎視点。兎は虎が心配なんです


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モドル

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