#21

[た、大変な事になりましたぁぁ!]

[シュテルンビルド全域に爆弾を仕掛けた、と犯行予告が届いたのが今回の事件の始まり!]

[我らがヒーロー達の決死の捜索中、なんと!その犯人は、いたいけな子供達を人質に取って立て籠ってしまうっ!]

[苦戦するヒーロー達の元に駆け付けたのは、最初にリタイアした折紙サイクロンとなぁぁんと!ダークヒーロー・ルナティックだぁぁ!]

[そしてそして!もう一人!眼帯を付けた、まるで武士の様な姿の謎のヒーロー!ワイルドタイガーと共に危機を脱したぞっ!]

[そのヒーローの名は、独眼竜…"ワンアイズ・ドラゴン"!ワイルドタイガーとダッグを組み、どんな活躍を見せてくれるのかっ!?]


***


「んじゃワイルドに…」
『待った』
「ぐぇっ」


つかホントに猪突猛進
少しは考えて動いてくれたって…いや、これはこれで虎徹の醍醐味なんだろうが


「な、なんだ!?」
『ネクスト、使えねぇだろ』
「…………あぁ」


やっぱり
それで犯人に向かってくなんざ、自殺行為だろ

だがどうする?俺一人でも何とかなるっちゃなるが、正直無理すると銀河が無くしコイツも五月蝿い
かと言ってネクストを使えねぇ虎徹を突っ込ませでもしたら、楓ちゃんやバーナビー達が悲しむ

………あんまりしたくねぇけど、アレやるか


『タイガー。フェイス開けろ』
「何でよ?」
『いいから』


首を傾げながら虎徹は、フェイスを上げる


「…独眼竜?」
『良いか?今からする事は後でキッチリ説明する』
「なに…を…」


虎徹の顔を両手で包み込み、俺は背伸びしてソレを実行に移した

うん、すっげぇ照れる


「…っ!」


傍目から見れば俺が虎徹に、キスしている光景。だが俺の真意はそこじゃねぇ

唇が触れた瞬間、互いの身体から青白い光が放たれる。目を見開く虎徹だが、そんな余裕は俺にはない。届かねぇんだよ!身長が!

**

突然キスされた
いやいや、何してんですか椿さんんっっ!?オジサン的には凄ぇ嬉しいけど、って違ぇ!

困惑してた俺だったが、違和感に気付いた。椿を通して俺に、"何か"が送られてくる。身体が異様に熱い、力が滾ってくる感覚

良く見たら椿って整った顔してるよなぁ…中性的で。身長も高い方だし…背伸び辛そうだな


『んっ』


あぁ、俺って馬鹿
ここがどんな場所で、どんな状況か分かっちゃいるのにさぁ。椿が必死に背伸びしてるの見てたら、屈んでやった方が良いか…なんて思っちゃったよ

…まぁでも。良いか


「…お嬢さん、どゆ事かオジサンに説明して?」


ゆっくりと名残惜しい様に唇を離し、口元を引き攣らせながら問い掛ける。すると予想もしなかった台詞が、椿の口から出てきた


『三分』
「は?」
『ネクスト回復させた。延長三分』


え?は?回復?
そういや、いつの間にか使えねぇ筈のネクストが、発動してやがるし。つかネクストって回復すんの?

疑問は絶えねぇけど、事が片付いたら全部説明して貰うか


「サンキュ」
『ん』



(コレ、他の連中にも出来たりする?)
(出来ない。限定条件半端無く厳しいし)
(あ、そなの?)
((言えねぇ))


***
アナウンス→夢主→虎視点
ネクスト回復も捏造。夢主のネクスト能力ではありません
因みにこの間僅か数分←え


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モドル

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