#19

そりゃもう驚いたさ
ルナティックと折紙が一緒に登場したのにもだが、一番驚いたのは眼帯を付けたヤツが現れた事だ

…声で丸分かり、なんですが


「誰だぁ、テメェ…」
『人間』


おいおい、犯人を逆撫でてどうする!?って前にもあったっけな、こんな事…


「んだとぉ!」
『折紙、指示した通りに。ルナは俺のサポートに入れ』
「御意!」
「仕方ないね」


犯人を余所にソイツは、淡々と的確に指示を二人に下す。つか何でルナティックが一緒なのか、おじさん疑問なんだけど


「「はぁ!」」


突然ルナティックと折紙が、犯人目掛けて攻撃を始めた。え、どうすんだコレ?


「チクショウ!」
『ホント下らない』


刹那、ソイツの姿はは既に犯人の目の前にあった。その手には見事な日本刀を構えて


「っ!」
『お遊びはこれまで、命のやり取りはゲームじゃねぇ』


ご最も
だが犯人も黙っちゃいねぇ
寸での所で攻撃を避けたのだが、どうやら犯人の行動はソイツの範囲内だった様子


『ルナ!跳んだ!』


ジャンプで攻撃を避けた所にルナティックの波状攻撃、空中じゃ身動きが取れねぇ。普通だったらこれで仕舞いと思うだろう


「打ち消してやる!」


その言葉通り、ルナティックの炎は犯人によって掻き消された。俺達の攻撃も同じ手で防がれ、このザマさ


『やはり、な』
「ならば私は、間接的サポートに回ろう。直接な攻撃は出来ないにしても、貴方のフォローは出来る筈だ」
『all right.ソッチは任せたよ』


あれ?もしかして犯人の能力把握済みだったりする?


「もしかして…」
「そのもしかして、でござる」
「折…」
「お静かに。拙者、皆を退避させる任を仰せつかった次第。退路は確保されておるでござる、皆お怪我は?」


い、いつの間に
て事は…あの二人は折紙の存在に気付かせない様に、派手に立ち回ってるのか


「大丈夫ですよ、先輩」
「つかよ折紙。アイツの能力って…」
「お察しの通り、ネクスト無効化能力でござる」


やっぱりそうか…どうりで俺達の攻撃が当たらねぇ訳だわ

おっといけね
ここに居ても、今の俺達にゃ何も出来ねぇ。渋々折紙の案内の元、現場を後にする


「ねぇ、無効化って…?」
「言葉通りの意味でござる。ですがその能力も、かなり厳しい発動条件がある様子。拙者の様な物理的攻撃ネクストは、無効対象外かと」
「…成る程ね、だからアンタを一番最初に狙ったワケ」


折紙の話によると、俺とバーナビーは人質がいれば手出ししない。バイソンはそれに加えて、恐らく体格の関係上…との事。よーく分かっていらっしゃるじゃねぇか、俺達の事をよ


『皆!危ねぇ!』


悲鳴染みたソイツの声音に、俺達は意識を向けると…

な、何で犯人が俺達の前にいやがる!?


『逃げろっ!早く!』


声を視線で辿ると、ソイツは腹を押さえながら表情を歪めてて。ルナティックは肩を押さえながら、膝を着いてやがる


「ニがすかァ!!」


目が血走り、歪んだ光を宿した犯人の手は、阻もうとした俺達を掻い潜ってしまう


「ツかまえたぁ…」
「離、してっ!!」
「銀河っ!!」


最悪な事態、だ



(ぎ、んが…)
(…っ)


***
虎視点
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