#18

「お前ら…絶対に、俺の後ろから動くんじゃねぇぞ」


ピリピリする空気
僕達の前にはヒーロースーツを着ている虎徹おじさん。隣には震えてる楓ちゃん、周りには他のヒーローもいる

そして…虎徹おじさんの前にいるのは、どっか目がおかしいお兄さん


「お、とう…さん…」
「楓ちゃん、大丈夫。虎徹おじさんや皆がいるんだもん」
「………うん」


声が掠れながら、楓ちゃんは虎徹おじさんを呼ぶのは怖いから。僕だって怖い、TVで流れている事件に巻き込まれたんだから

でも、なにかおかしい
どこかと聞かれたら、具体的に説明は出来ない。けどなにかが、変


『銀河。窮地に立たされた時こそ、冷静になれ』


お母さんの言葉
まだ僕が、お母さんの子になったばかりの頃に教えてくれたっけ

冷静に…冷静になれ!
僕だって男だ、楓ちゃんを守るんだ!


「虎徹さんっ!」


あれ?
なんで皆、ネクスト使わないの?

……違う。使わないんじゃない、"使えない"んだ。多分それが、あのお兄さんのネクストの能力。だから、だから皆ボロボロ

僕は男の子なのに…虎徹おじさんと"約束"したのに…守られてるだけじゃダメだ、僕だって…


「っ!やめろぉぉぉ!」



守りたい
そう思った時…身体中が熱くなって、なんだか力がどんどん出てくる感じがした


「へ?」
「銀河、君?」


気付いたら僕は、お兄さんを殴ってた…ネクストを発動させながら


「まさか、これは」
「…銀河は俺達と同じ能力、か」


虎徹おじさん達と、同じ?
じゃ"100倍"っていう?そっかぁ…お揃いかぁ


「テメェ…」
「っ!」


こわい、こわい、こわい!
おかあさんたすけて!

お兄さんが僕へ目を向けたその時。お兄さんの足元に青白い炎が燃え、大きな手裏剣が刺さった


「え?」
「これは…!」
「そこまでだ」


突然聞こえてきた声に、僕達は皆して振り向く

そこには折紙サイクロンとTVで映っていたヒーロー、かもしれない人がいた


「…ルナ、ティック?」
「サイクロン!無事だったのね!」


サイクロンのお兄さんは何故かは分からないけど、あのお兄さんに一番先にやっつけられたっけ

もう一人はそうだ、そんな感じの名前で…あと何だっけ?

首を傾げていたら、青白い炎が突然消えた。本当に急に、まるで消しゴムで消したみたいに


「やはり貴方の読みは正しかった様だ」
「その様で御座る」


誰かと一緒?少しだけ振り向いて、小さな声で話す


『面倒だな』


え、今の声…まさか…


「拙者達は先程、言われた通り動けば良かろうか?」
『そうだな、それが良い。ルナ分かってるな?』
「私をそう呼ぶのは、後にも先にも貴方位だ…」
『良いだろう、減るもんじゃねぇ』


カツンカツン、と響く音
皆が見ている中、その人は現れた


『やぁ、諸君。こんにちわ』


威風堂々

(新しい、ヒーロー?)
(つかこの声ってまさか…)


***
銀河視線、参戦


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モドル

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