#17

――…それは唐突だった


『…爆破予告?』
「うむ。HeroTVに届いたらしくてな…」

また物騒な事を考えたヤツもいるもんだ…しかし先輩の様子がおかしい


『珍しいですね、先輩が言葉を濁すなんて……何かありましたか?』
「本当に察しの良い後輩で、僕は嬉しい限りだよ…爆破予告に書かれていた、爆破箇所はこの街全体だそうだ」
『………はぁぁ!?』


シュテルンビルド全体?
何を考えてんだ、犯人は…既にヒーロー達は緊急出動。民衆の避難と爆弾の捜索にあたっているらしいが


『…腑に落ちない』
「君もか」
『何故犯人は犯行声明を行政ではなく、HeroTV宛てに送ったんだ?』


何故民間放映局に犯行声明を出す?行政か警察なんじゃねぇか?


「それについては私も疑問を抱いた。パフォーマンスか、はたまた…」
『どちらにしろ、警戒するに越した事はねぇか…』


アイツらを危険に巻き込ませたくねぇが、如何せん事態が事態だ

協力を仰ぐしかねぇ


『"ウィザード"に所属している者、全員に告ぐ』


特殊イヤホン越しに声が伝達される

コイツはまだウィザードと関係していた頃に造り出したモノで、特殊電波を使う事で全く盗聴されない代物だ


『皆もTVを見て知っての事だろうが、緊急事態だ。"ウィザード"、現在を持って完全復活とする』


うおっ!何っう歓声だ
イヤホンのボリューム落とすってどうよ…


『現状を把握する為、情報収集を第一とする。第一警戒体制、一般人に危険が迫ったならば各自対処。定時報告忘れんじゃねぇぞ』


イヤホンでの通話を終了させた私は、再びTV画面に視線を向けて……心臓が止まる思いがした

TV画面にはボロボロに傷付いているヒーロー達と、タイガーの背に守られている銀河と楓ちゃんの姿が


『………え?』



(ちょ、何かの冗談だろ?)


***
夢主視点
怒涛の展開


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モドル

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