#16

俺んちに椿と銀河が住み始めて、早や数ヶ月

その間俺の生活はガラリと変貌を遂げた


「朝だよー!おっきてー!」
「グエッ!?」


突然全身に半端ない衝撃を受け、目が覚めた。慌てて視線を身体の上に向けてみれば…


「起きた?」


満面の笑みで俺の腹の上に乗っかってる銀河がいた。オジサン、確かにヒーローやってるけどさ…朝からダイブは辛いわ


「今日の朝ごはん、和食だから早く来ないとなくなっちゃうよー?」


滑舌良く話しながら、銀河は笑んだまま部屋を後にする。全く困ったヤツだ


「お母さん、虎徹おじさんを起こしてきた!」
『うむ、任務ご苦労。ご褒美におかずを一品増やしてあげよう』
「やた!」


リビングに行ってみりゃ、このやり取り。仲が良いのは分かるがよ…


「おはよ!虎徹おじさん!」
『お早うさん、虎徹。ったく重役出勤過ぎるぞ』
「ヘイヘイ」


そっから三人揃って朝食
椿はその後、直ぐ出勤しちまうから実質片付けは俺と銀河担当


「んじゃ行くか」
「うん!」


出動が無ければ、大体銀河に合わせた行動を取るんだが。俺がトレーニングセンターに行く場合は別だ

用心に越した事はねぇし


「あらあら。子連れ出勤ご苦労様」
「…ネイサン…」


銀河とトレーニングセンターに来るのも、今日が初めてじゃねぇ。俺がトレーニングしている間は、銀河も良い子にしてるんで他の連中も気に入った様だ

特にバーナビーとはすげぇ仲が良い、ありゃ兄弟って言っても通用するぜ


「虎徹おじさん!お昼!」
「もうそんな時間か」


昼飯は椿特製弁当
これがまた美味いんだわ、ホント


「お母さん、今日遅くなるのかな?」
「どうだろうな?」


椿は斉藤さんの後輩なだけあって、すげぇ優秀らしい。実力的には斉藤さんとほぼ変わらない、と社長が褒めちぎっていたのが印象強い

だからか。残業が多い…そこは本人も気にしているが


「残業になったら連絡してくるだろ」
「ん」


しかし…共に過ごす様になってから、銀河は幼くなった気がする。いや違うな、これが年相応で前が大人過ぎたんだ


「お、噂をすれば」
「お母さんから?」
「あぁ………」


予想ドンピシャ
今日も残業かよ、これで何日目だ?斉藤さんも人使い荒いな


「残業だと」
「そっかぁ」
「…お母さんには内緒で外で飯、食うか?」
「食べる!」


もし楓も一緒なら、アイツも銀河みてぇに年相応な感情を出してくれんのかね?パパは少し心配だよ




(この穏やかな日々が)
(いつまでも続くと、俺は疑わずに思っていた)


***
虎視点
銀河は夢主以外に甘える相手が出来たので、羽目を外しています


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