俺んちに椿と銀河が住み始めて、早や数ヶ月
その間俺の生活はガラリと変貌を遂げた
「朝だよー!おっきてー!」
「グエッ!?」
突然全身に半端ない衝撃を受け、目が覚めた。慌てて視線を身体の上に向けてみれば…
「起きた?」
満面の笑みで俺の腹の上に乗っかってる銀河がいた。オジサン、確かにヒーローやってるけどさ…朝からダイブは辛いわ
「今日の朝ごはん、和食だから早く来ないとなくなっちゃうよー?」
滑舌良く話しながら、銀河は笑んだまま部屋を後にする。全く困ったヤツだ
「お母さん、虎徹おじさんを起こしてきた!」
『うむ、任務ご苦労。ご褒美におかずを一品増やしてあげよう』
「やた!」
リビングに行ってみりゃ、このやり取り。仲が良いのは分かるがよ…
「おはよ!虎徹おじさん!」
『お早うさん、虎徹。ったく重役出勤過ぎるぞ』
「ヘイヘイ」
そっから三人揃って朝食
椿はその後、直ぐ出勤しちまうから実質片付けは俺と銀河担当
「んじゃ行くか」
「うん!」
出動が無ければ、大体銀河に合わせた行動を取るんだが。俺がトレーニングセンターに行く場合は別だ
用心に越した事はねぇし
「あらあら。子連れ出勤ご苦労様」
「…ネイサン…」
銀河とトレーニングセンターに来るのも、今日が初めてじゃねぇ。俺がトレーニングしている間は、銀河も良い子にしてるんで他の連中も気に入った様だ
特にバーナビーとはすげぇ仲が良い、ありゃ兄弟って言っても通用するぜ
「虎徹おじさん!お昼!」
「もうそんな時間か」
昼飯は椿特製弁当
これがまた美味いんだわ、ホント
「お母さん、今日遅くなるのかな?」
「どうだろうな?」
椿は斉藤さんの後輩なだけあって、すげぇ優秀らしい。実力的には斉藤さんとほぼ変わらない、と社長が褒めちぎっていたのが印象強い
だからか。残業が多い…そこは本人も気にしているが
「残業になったら連絡してくるだろ」
「ん」
しかし…共に過ごす様になってから、銀河は幼くなった気がする。いや違うな、これが年相応で前が大人過ぎたんだ
「お、噂をすれば」
「お母さんから?」
「あぁ………」
予想ドンピシャ
今日も残業かよ、これで何日目だ?斉藤さんも人使い荒いな
「残業だと」
「そっかぁ」
「…お母さんには内緒で外で飯、食うか?」
「食べる!」
もし楓も一緒なら、アイツも銀河みてぇに年相応な感情を出してくれんのかね?パパは少し心配だよ
(この穏やかな日々が)
(いつまでも続くと、俺は疑わずに思っていた)
***
虎視点
銀河は夢主以外に甘える相手が出来たので、羽目を外しています
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モドル