#14

それを見た時は驚いた、の一言に尽きるわね
一般人の女性が、大の男…しかも複数を相手して勝っちゃうんだもの

し・か・も
その女性があの虎徹の想い人って言うんだから、尚更よ!


「お前、どうして…」
『あ、いや…話すと長くなるんだが…まぁ色々あってな』
「はぁ?」


あら?言葉を濁したわ
どうやら彼女、何か複雑な理由がありそう…


「椿さん!」
『お、バーナビー。息災で何より』
「椿さんどうして…貴女は一体…」


珍しいわね
あのハンサム君がこんなに取り乱すなんて…と言うか、まるで子犬を見てる気がするのは私だけかしら?


『ちったぁ落ち着かんかい、阿呆。お前どっかの誰かさんの影響、受けまくりだぞ?』
「…オイコラ。誰の事言ってんだ、椿?」
『…無自覚か、タチ悪ぃ』


い、意外と歯に衣着せない子ね…どちらかといえば毒舌?


「椿。とにかく説明しろ」
『……ここでか?』


確かにロビーじゃ説明出来ないわね、今の騒動で思い切り目立ってるし

でもこの二人、どこかぎこちないわねぇ…ハンサム君から聞いてたのと、ちょっと違うわ。やっぱり何かあったのかしら?だったら二人きりにさせてあげるべきよね!


「ハンサム君!」


彼へ小声で呼び掛けると、察してくれた様で口元に笑みを浮かべ、頷いてくれたわ
流石スーパールーキー!


「そういえば椿さん、お一人なんですか?」
『あ、いや…銀河もいるが』


確か彼女の息子さんね
ならお迎えを理由に使えるわ


「ま!なら早く迎えに行ってらっしゃいな!虎徹、アンタ送ってあげなさい!」
「は?俺?」
「アンタ女性を一人で帰すつもりなの!?いいから四の五の言わず送ってあげなさい!」


反論させないわよ
息もつかせないマシンガントークに虎徹は渋々だけど、彼女と共に去って行ったわ

後ろ姿がなんとも微笑ましいお似合いカップルみたい!まぁ相手が虎徹だから、美女と野獣みたいな感じになっちゃってるけど


「ねぇ、ハンサム君。あの子達、どうなると思う?」
「……神のみぞ知る、という事で」


あら珍しい、貴方が弱気になるなんて。さて他の子達に何て説明しましょうかね?

あぁそう言えば彼女、椿ちゃんだったかしら?あの子とは一度、じっくり食事をしながらお話してみたいわぁ


善は急げ

(大丈夫、かな?)
(心配?)
(椿さんは…僕にとって姉さんみたいな方なので…)
(あらあら。じゃ虎徹はお兄さんってトコかしら?)
(…あんな兄はいりません)
((意地張っちゃって、可愛い…!))


***
炎視点
姐さん口調が合ってるか些か不安ですが、書いていて楽しかった!


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