02

――イギリス市内


「…ここが…」


数日前
僕宛に届いた一通の手紙
それは僕が魔法使いという事を教えてくれた切っ掛けで、僕の人生を一変させた
手紙が届かなかったら、僕はどうしてたかな…

今僕はダイアゴン横丁にきている。魔法の素質がある者が通う学校、ホグワーツに必要な教材を揃えに来たんだ。あいにく母は抜けられない仕事があり、僕一人けど


「…どうすりゃ良いんだ?」


母子家庭で育ってきた僕は、大抵の事を何とかしてきたけど…流石にコレはどうにもならない

つか銀行ってどこだよ?


「あっ…スミマセン!」
「…いや」


ぼうっとしてたら、誰かにぶつかっちゃったよ!け、ケガとかないよな?


「ス、スミマセン!地理に詳しくなくて、ぼぉっとしてしまって…」
「新入生、か?」


わ、背高っ!
黒い服を着たその人は、不機嫌そうに表情を歪めた。なんか、癖のありそうな男性(ひと)だな…


「え?あ、はい。今年、ホグワーツ?に入学予定です」
「何故疑問系?」


すみませんね、まだ慣れてなくて。すると男性は薄くだが、口元を上げて笑った

あ、笑うと優しい感じする
僕はいつの間にか、彼に心を許していた。こんな短期間なのに


「親御さんはいないのか?」
「抜けられない仕事があって…
銀行どこだよ…


どうやら僕の呟いたグチが聞こえたらしく、男性は苦笑しながら明後日へ指差す
そこには真っ白で城みたいな建物が見えた


「デカッ!」
「グリンゴッツ、あれが魔法使いの銀行だ。後は大丈夫だろう?」
「はい!ありがとうございます!」


入学許可証に必要な物は書いてあったし。不安は無いとは言い切れないけど、一人でやり遂げる事はいつもの事


「ここは迷い易い。もし何か分からぬ場合は、近くの者に聞け。ホグワーツの新入生だと言えば皆、教えてくれるだろう」
「はい!」


親切な人だな、一見は怖いけど


「では…新学期で」


黒い服を翻し、彼は人混みの中を颯爽と歩いていった…


「はい!………へ?」



予期せぬ出会い

(……誰、だったんだろ?)

(変わった奴だ…しかし我輩は何故?)


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bkm

モドル
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