ホグワーツに入学して早数年
当初の目的さえ果たせば良いと考えていた私だが、いつの間にか此処の生活が楽しくなっていた
無二の親友も出来たし、実姉と慕える先輩もいる。生活事態は充実していが、矢張…
「何を呆けている?」
『あ。悪い悪い』
このホグワーツでは寮が4つあり、各々特色を持つ。生徒は入学式に振り分けられ、卒業までその寮で暮らす
が。正直な所、このシステムを私は好まない
対抗心か何かで、互いを高めあうのが目的なんだろうが…生徒達がこれを理解していないのが現状だ。特にグリフィンドールとスリザリン、この2つの寮は犬猿の仲。高めあう所か逆効果だ
「…やはり、気にしているのか?」
『まぁ、ね。目ぼしい情報もないし…このままだと何も掴めないまま卒業しそうだよ』
犬猿の仲と言われてる、グリフィンドールとスリザリンだが例外があった。というか例外は私なんだが
私の眼前にいる男子生徒の纏うローブは明らかにスリザリン。そして私はグリフィンドール
彼とは魔法薬学で意気投合した、冷静な判断が出来る彼は私にとって、貴重な相談相手の一人
「焦るな。今は力を溜める時期なのだろう」
『……ありがと、セブルス』
「礼を言われる事など、僕は言っていない」
『はいはい』
そして私の"過去"を唯一知り得る人物でもある、何せ校長にも伏せているから…ま、あの人の場合は感付いているかも知れないが
「とにかく無茶だけはするなよ?お前に何かあれば、ナルシッサ先輩が心配するからな」
『ナル姉も心配性だな…』
「何を言う。悪い気はせんのだろう?」
『ま、ね』
「お前くらいだ。スリザリン生徒と交流があり、尚且つ姉妹の様に仲が良いのは」
『他の連中と一緒にすんなよ』
上部だけでその人を判断する事を、私は非常に嫌う。だからこそ、スリザリン生との交流が出来る訳だが、他の連中と一緒くたにされては困る
ん?この気配…
『さて。今日はこの辺にするか』
「時間はまだあるぞ?」
『何処ぞの問題児達がこっちに向かって来てる、鉢合わせはしたくないだろ?』
「…………確かにな」
曇りなき眼
(コイツの隣は居心地が良い…)
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