05

瞬く間に時間は流れて、季節は冬
そしてもうすぐ生徒達が待ちに待った、クリスマス休暇が近づいていた


「サクヤはクリスマス休暇どうするの?やっぱり家に帰るの?」
「あ、言ってなかった?僕、ホグワーツ居残り組」
「「「何でっ!?」」」


いや、何でって言われても
つかキレイにハモったな


「仕方ないだろ、母さん仕事なんだから」
「え?…お父さんは?」
「……あー…言ってなかったっけな。僕んチ、母子家庭」
「「「………はい?」」」


君達、良くハモるよな
まぁ今回は僕が爆弾発言したから、しょうがないけど


「聞いてないよ!」
「ゴメン。言ったようで忘れてた」
「サクヤらしい…」
「…ホント…」


母子家庭と言うデメリットは、僕にとって大した事ではない。世間では大事みたいに捉えがちだが、ウチはそんな問題ではないんだ

実際何とかなってるし


「だからサクヤはしっかりしてるのね」
「そかな?」
「うん。大人っぽい感じがする」


それは母さんに負担がかからないよう、必死なだけでまだまだ僕はガキだ


「早く大人になりたいな」
「なんか言った?」
「ううん、何でもない」


自分がガキだって事は重々承知してる、だから早く大人になりたい


「僕、借りた本返してくる」
「んー」


母さんは女手一つで、僕を育ててくれた。それに早く応えたい


「…なんか、モヤモヤする」



想い、猛る

(今頃母さん、どうしてるかな?)


***
サクヤはマザコンじゃありません、心配性なだけです(笑)


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