――…時を遡る事、一年前
「女性っ!?」
「そうじゃ」
駅長の急な召集
その内容は整備士長に、女性を起用する事
前整備士長は数日前に、定年退職。その後釜には、整備士副長が継ぐと俺達は思っていた…のに、この話だ
確かに俺達は実力主義
実力さえあれば経験・年齢関係無く、昇格が可能だ。だが副長は俺達の中で一番の腕前、そんな彼を差し置いて?
しかも駅長の話だと、俺らよか年下っーじゃんか!?
「ちょ、待って下さい!副長は!?」
「ん?俺は了承してんぞ」
「早っ!?」
えぇ!?副長が認める!?
副長、もう会ってたの!?
つか一体どんな女性なんだ…まさかマッチョな女じゃねぇだろうな!?
「入っておいで」
駅長の声で、俺達の前に現れた一人の女性
栗色の短い髪に、整った顔立ち。女性にしては長身で、一見男性に見えなくない
けれど…彼女の瞳は、とても強い光を秘めていて
俺達は思わず息を飲んだ
その光が、前整備士長と同じだったから
『サータです、宜しく』
「不器用者じゃが、実力は折り紙付きじゃ」
『…じっちゃん。不器用は余計』
え、駅長をじっちゃん!?この人何者なんだ!?
『まぁ、ゆるーく宜しく』
―…ただ者じゃない
それが俺達が抱いた
整備士長、サータさんの第一印象だった
過去語り
(ノボリ、クダリ。新しい整備士長じゃ)
(おや。お若い男性ですね)
(……………宜しく)
>一見男性に見える夢主、間違えてるノボリ
11.10.03.エムブロ記載
11.10.14.編集・記載
mae tugi
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