16ーlane


あの女性が、情報目的で私に近付いていたとは…



『ルカリオ、止めだ』



二人が突然始めたポケモンバトル

彼女のバトルを見るのは、私初めてでございますが…冷静に且つ、冷淡に指示を下すサータ様は、まるで別人の様でした

しかし勝負と言い難く、サータ様の完全圧勝。何てお強いのでしょう…


あぁ、いけません!サブウェイマスターとして、身体が疼いてしまいます!!



「くっ…!」

『諦めるんだな、てめぇらに逃げ場なんざねぇ』

「逃げてみせるわよ!!」



高々と宣言した彼女は、仲間を引き連れて踵を返しました

あちらの方角は…従業員用避難経路ではありませんかっ!?



『…逃がさねぇ、と言ったろうが』



そうサータ様が呟いた刹那…

猛々しい咆哮が、辺り一面に響きました。そして私達の前に現れたのは…



「リザードン?」



雄々しく立派に育て上げられたリザードンが、彼等を難なく捕縛しておりました

それにサータ様は、笑みを溢されました



『ご苦労、リザードン。ピカチュウ、もう良い』



成る程。サータ様は彼女達が従業員用避難経路を使うのを見越して、リザードンを配置していらっしゃっていたのですか。何と素晴らしい!

そして私達の周囲に張り巡らされていた、でんじはも解かれました


後でピカチュウへ、お礼を差し上げなければいけませんね



「……思い、出した…」



不意にプラズマ団の一人が震えながら、口を開きました



「ジョウト、カントー、ホウエン、シンオウのリーグ優勝…尚且つイッシュ全てのジムを制覇した…」



まさか…まさか…

…サータ様が、あのお方?



「鋼の女帝!!」



現時点で最も、ポケモンマスターに近いとされる…女性トレーナー…


疑惑と驚愕の眼差しが、サータ様へと集まります

ですが彼女は慌てる所か、不敵に笑むだけでございました



『……懐かしい名だ』



二つ名

(まさかイッシュで、再び聞く事になるとは…な)


>女王か女帝か迷った挙げ句、女帝


11.10.16.エムブロ記載
11.11.03.編集・記載


mae tugi


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