――…また来たのかぇ?来るなと言っただろうに…
――っ……
――童(わらべ)?
――ひとりで…さみしくなぁい?
――ククッ…愚問じゃの。淋しさ等、とうの昔に忘れたわ
――うそっ!!…おねえちゃんのおめめ、すっごくさみしそうっ!!
――なん……じゃと?
――この子の言う通りです
――…童の…親御、かぇ?
――はい。――がお世話になったそうで
――童が変わり者なら、親御も変わり者じゃ。妾を畏れぬとは
――あら?こんな美人さんを畏れるなんて、出来ませんよ
――ええ、家内の言う通りです
――…お主らの…
――おねぇちゃん、いっしょにいよう?そうすれば、さみしくないよ
――何度も言わせるでない、妾は淋しく等ないわ
――いえ、貴女は一人で淋しい筈
――その瞳(め)が、何よりの証ですわ
――………
――共に、生きましょう
――……全く、ほんに変わり者達じゃのぅ
――…おねぇ、ちゃん?
――ならば親御殿よ、妾に名を付けよ
――名前…ですか?
――そうじゃ…妾は名を持たぬからの
――…でしたら……―――はいかがでしょう?
――ふむ…良い名じゃ…これより妾は―となる、宜しくの
――あいっ!!
交わる事の無かった道
だが小さな出会いが
それを交えさせた
【闇】は【光】へと
転化する