(02/02)

『……へ?』


あれから数カ月――

私、谷山葵はリンさんから、ありとあらゆる知識を教授されていた。勿論お互いの予定が合った日のみなので、月に数える程度しか会えない

だが彼はそれを、最初から踏んでいたのか
会えた日には、数時間は確実にみっちり、密度の高い教授をしてくれた

その結果
私の知識は、関係者に引けを取らない位高まった


『…へぇ…子供を探し続けてさ迷う母親の霊、ね。依頼にも色んなのがあるんだ』
「ええ…依頼は多種多様ですからね」
『…ふぅん…』


リンさんは私が、麻衣の姉とは知らない…私がワザと伏せたんだけど…


『(…言ったらリンさん、麻衣とは気まずくなるよなー)』


彼の性格はここ数カ月の間で、大体把握していた

私との教授の時は、やけに饒舌になるんだが。プライベートや世間話になった途端、口下手になる


『(…仕事モードのリンさんって、多分普段は無口無表情そうだし。愛国心強ぇからな…もうそっから麻衣とは一言二言しか、会話出来てねぇんじゃね?)』


これは感だけど…今んとこ、私の感は外れた事ないしな…(大当り by管理人)


「…そういえば葵さんには、妹さんがいらっしゃるんですよね?」
『えっ?まぁ…』


え?何いきなり…


「お年は近いんですか?」
『うん、近いよ。三歳違いで現役高校生』
「そうですか…」


そう言うなり、何故か考え込むリンさん…麻衣と姉妹ってバレた?
すると急にリンさんは目を見開いて、私に振り向く


「…3歳違い?」
『…うん…妹は十六だけど』
「………は?」


…何だろう
麻衣の年齢を言ったら、彼は余計驚いてんだけど?


「19歳なんですか!?」
『驚くトコ、そっちかっ!?』



何を言い出すのかと思ったら…単に私の年齢に驚いてたんかい!

…………ん?


『あれ、言ってなかった?十九って…』
「初耳です」
『即答ですかい!…あれ?』


言った様な記憶、あるんだけどなぁ…


「…19歳なのに、勤労学生ですか…」
『アハ。家庭内事情がありまして』


バイトと学生、家事を掛け持ちしている勤労学生…との事は、この不思議な関係が始まってからすぐに彼に伝えた
…言った時、リンさん固まってたなぁ…

それ故か、彼は私の体調を考慮しつつ教授してくれてる。口には出さないケド、感謝してます。マジで


「全く…次の私の予定ですが、分かり次第またメールします」
『アザッス』


実は携帯持っていました
っても、ほっとんど使う機会がないんだけど…


「暫く連絡取れませんが、くれぐれも無理はしない様に。貴女は無理をする方ですからね」


キラリッとまるで効果音が付きそうな勢いで、リンさんが睨んできた…仕方ないか、前科持ちだからな…

無理して、リンさんの前でぶっ倒れ、彼の肝を冷やさせたのはつい先日……と先月と先々月


『……小姑かい……』
「何か?」
『ナンデモアリマセン』


何かいつの間にかリンさんの立ち位置が、私の保護者的立場になっている

そんな感じがした、今日この頃


***
時期的に呪いの家後
分かり難いかもしれませんが、01がリンvr.視点、02が夢主vr.視点



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