「ね、クダリ。ちょっといい？」
「どしたのアータ、かしこまって…？」
「あの"噂"ってさ、本当なの？」
「ウワサ？」
ノボリとサータが付き合ってるっていう噂か、アータが気になるのも無理ないよね
だって当事者の妹なんだし
あの噂も長い事定着してるけど、いつまでたっても消えないよね。まぁそれだけ、二人がお似合いのカップルに見えるんだろうな
見た目は、ね
「ホント、かな？」
「ただのウワサじゃない？」
実際二人が付き合ってるなんて話は聞いてない
というか、あれだけ息がピッタリで噂もされてる男女が全く進展無し…ってどうなんだろ？
「だったらさ……」
「ん？」
*****
「サータ、少々宜しいでしょうか？」
駅員室内にノボリの声が響く
ちょうど室内にはサータと二人きり…みんな、協力感謝！
『んー？』
「先頃、妙な噂を耳にしまして」
『あぁ…あの噂、な。どうなってんだ、アレ？』
「私にもとんと…以前から流れていた私とサータの噂が、妙な方向へ行ったのではと」
実は職員のみんなに協力してもらって、二人の噂に尾ひれを付けて流したんだ
スッゴい速さで流れてビックリしたよ！
これで二人の仲が進展してくれればいいけど…
『…誰かが故意に流してる様な気がしてならん』
「まさか!?」
ドキーン！
さ、さすがサータ…鋭い
ぼく、一瞬バレたのかと思った
『まぁ良いんじゃね？内容聞く限りじゃ、支障きたすモンじゃねぇし』
「私は別に構わないのですが…貴女の事を思うと…」
『ったく、つくづく心配性だなノボリは』
あ、れ？
なんか雰囲気がいつもと違くない？
あれれ？
なんでサータが、ノボリの頬を撫でてんの？
『大丈夫だっての。私を誰だと思ってんだ？こん位でヘコんでたら、お前の彼女なんざ出来ねーよ』
「それは、そうですが…」
は、い？か、の、じ、ょ？
待って待って待ってっ！
え、え？この二人、いつの間に付き合ってたの!?
『ああ、忘れるとこだった。半休取れたぞ』
「それは宜しゅう御座いました。ならば久々に、何処かへ出掛けましょうか？」
『んー…そだな』
もしかして…デ、デート？
ぼく、あんな幸せそうな二人はじめて見た…
「サータの私服、楽しみにしておりますよ」
『…プレッシャーかけんな』
こ、これは大ニュース！
いそいで知らせないと！
『……行った、みてぇだな』
「全く、クダリは何を考えているのだか…」
『ま、俺は別に構わんが。兄貴思いの弟をそう責めんな』
「……善処致します」
策士、策に溺れる
(アータ…なんかさ、ぼくたち付き合ってるってウワサがあるんだけど…)
(へ？)
((まさか……))
(俺達をハメようとするなんざ甘い)
(コレで懲りるでしょうか？)
(………さぁな)
****
時雨様リク『夢主とﾉﾎﾞﾘをｱｰﾀとｸﾀﾞﾘが恋人にしようと画策する話』でした
弟妹達が奮闘するも逆にしっぺ返しを食らう…な感じに仕上がりましたが、ご満足頂けましたでしょうか？
因みにこの二人はまだ付き合ってません(苦笑)
upが大変遅れた事、誠に申し訳ありません！
企画参加、ありがとうございました！
13.02.10.