――…それは何時気付いたか

世間一般で"前世"と、呼ばれる記憶がある事を



***



「先生ー、さよーならー」

『気ぃつけて帰れよー』



帰宅する生徒を見送り、職員室へ向かう歩を進めた

不意に窓の外で満開に咲き誇る桜が、視界に入る



『早いもんだな』



私がこの高校に転任して幾年

最北端の土地に馴染むのは、流石に時間が掛かった



『だが…悪くない』



ここは"以前"の"私"が、住まう場所だったから

幼い頃には既にあった"前世の記憶"は、私の人生を左右する程に強く

稀にその記憶を嫌煙していたが、今はもうそれはない



『……"記憶"は、必然だったのか』



そう考えるのが、妥当かもしれない

この高校に転任して以降、"以前の仲間"に会え…そして最愛の人にも巡り会えた

勿論"前世"云々は抜きで



「鈴々音先生ー!」

『ん?』



背後から元気な声が掛かる
この声は…



「先生!手合わせしてっ!!」

『…和泉、またか…』



女子剣道部の和泉
明るくて天真爛漫の言葉が似合う子

そして…彼女もまた、"過去の私"との関係者だ



「だって先生強いし!」

『あのなぁ…』



こういう所、変わってないな

彼女もまた生まれ変わり、現代を生きている。性格や外見は全く変わってなく、やはり彼女も最愛の者と共に日々を過ごしていた

…つかあの二人が、兄弟設定ってありか?



「先生〜」



全く、この妹は…手間の掛かる可愛い子だよ



『…わーった、相手してやるよ』

「いやったぁ!」



生まれ変わっても

記憶が無くても

お前はお前だな、紅桜鬼?



「先生?なんか言った?」

『いんや、なんも』



再び巡り会う竜と鬼

「先生」
『ん?』
「本気出したらさ、竹刀6本持ったりする?」
『………Ha?い、和泉?まさか…覚えて…』
「なんのことー?」
『…喰えない奴だ』



***
エイト嬢に捧げます(笑)
やってみたかった繁桜×紅桜鬼SLLvr

繁桜夢主と土方が教師、和泉ちゃんと土方が生徒。W土方は兄弟設定
あ、名前変換少なっ!?←

エイト嬢に感謝を込めて

12.03.26.



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