『理一、ホンマにええの?』

「大丈夫。というか凪、それ何回目?」

『…せやけど』



穏やかな田園風景
せやけど…あての心情はちっとも穏やかやない
原因は隣におる、あての彼氏…陣内理一や

彼の出会いは最悪
元彼と喧嘩しはり、別れたんやけど…その元彼があろう事かストーカーになってもうた

夜道で襲われかけた所を、理一に助けて貰えんかったら…どうなったんやろ。それから彼は、あての為にホンマに色々してくれはって。その優しさにほだされたんやろな


今あては、理一の実家へ向かっとる。実家に中々帰らへん理一が帰省する言うから、珍し思うたんやけど

親戚一同が集まる言うて、あてを紹介したい…と言うた時は納得してもうた


理一はお母はんから見合い勧められて、帰省しとうないんやないか?



『ほな、曾祖母さんの誕生日なん?』

「そ」

『いややわ。なんも用意しとらへん』

「大丈夫だって。凪ならさ」

『何言うてますの、理一の顔が立ちまへんやん』



今回急遽言わはるさかい、なんも用意出来んかったわ
誕生日やったら、ちゃんとした贈り物せな



「…………」

『なんや、理一?』

「ん、何でもない。ほら見えてきた」



理一の声に明後日を見やる
ちょ、待ちぃ…なんや、この立派な武家屋敷



「ようこそ、陣内家へ。あ、母さんただいま」

「あら理一。おかえ……どちら様?」



理一のお母はんは綺麗に着物着はって、どこか理一に似とった



『お初にお目にかかります。理一はんとお付き合いさせてもろうてます、凪と申します』

「まぁまぁ!理一ったら、こんな可愛い子がいるなら連絡しなさい!」

「あははは」



どうやら当たりやな
そらそうや。理一も結構な年や、お母はんも心配するわ

親御はんに心配かけてどないすんや、阿呆



「さぁさ。上がってちょうだいな」

『はいな』



古都より愛を

(おねーちゃん!)
(子供達に懐かれたわねー)
(つかあの子、幾つ?)
(………32)
((見えなっ!?))


***
フジ様リク『連載外ヒロインを理一が皆に紹介する話』でした

名前は都合上、連載夢主と同じにさせて頂きました(^-^;
連載夢主が行動派だったので、大人な女性にしてみました。京訛りが怪しいですが…

御期待に添えれたでしょうか?大変遅くなって、申し訳ありませんでした

企画参加、ありがとうございます!

12.07.29.



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