『あ』

「どうした刹?」



ふとカレンダーを見て気が付いた

何故忘れてたのか



『燐と雪、この春に高校じゃん』

「もうそんな時期か」



感慨深くネイガウスさんが目を閉じる、気持ちは分かるよ凄く

俺もそうだし



『姉なり兄なり呼ばれてた頃が懐かしいなぁ』

「……刹。些か思考がズレてないか?」



自覚はしてるよ
ま、それは置いといて

進学するんだったら、祝わないと



『進学祝い、どうすんの?』

「………………」



あぁ、思い付かないのか
仕方あるまい。彼の今までの人生を振り返れば、こんなケースは恐らく滅多になかっただろう。しかも今回は親しい人達だから尚更だ

似たようなもんだし、俺も



『んー…時計?』

「雪男ならともかく、燐は直ぐ壊しそうだが?」

『…確かに』



困ったな、これは
贈り物を贈る経験が少ない故か、はたまた贈る相手が相手故にか。品が中々決まらない

ふと、何かを思い付く様にネイガウスさんが口角を上げる



「ここで考えても埒が空かないな…いっその事、店を回りながら決めるか」

『………なーる』



その案、乗った!
てな訳で急いで身支度を整えていく、そういやネイガウスさんと出掛けるのって久々じゃね?

う、なんか妙に緊張する…



「刹、支度は済んだか?」

『あ、う……ん……』



声を掛けられたので、急いで自室から出た途端…我が目を疑った



「どうした?」



どうしたもこうしたもあるかぁぁぁ!

ちょ、待てぇぇ!?え、ネイガウスさん、だよね?何だよ、この色気は?有り得ねぇ!



『…ネイガウスさん、自覚無いの?』

「何がだ?」



あ、無いんだ…
この後の買い物。絶対女からの視線が、突き刺す様に痛いだろうな…先が思いやられる



「刹に言われたくない…その様な格好をしおって…」

『は?何か言いました?』

「…いや、何でもない。行くぞ」



無自覚はお互い様

(で。結局贈ったのは腕時計ってか)
(…余りにも周囲の視線が痛かったものですから…)

((………着飾った刹を他の男達に見せたくなかった等、言える訳ない))
((分っかり易いヤツ…))


***
名無し様リク『連載夢主とネイガウスのほのぼの話』でした

時間軸は双子入学前で、覚醒前位。両片思いな感じで書かせて頂きましたv
二人がどんな格好をしたかはご想像にお任せ致します←
大変遅くなりまして、申し訳ありませんでした
企画参加、ありがとうございます!

12.10.10.



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