『あ、れ?』



とある休日
珍しく、俺とネイガウスさんの休みが被った

実はホントに珍しくて、こんな事は一月にあるかないか…誰かが裏で、仕組んでんじゃねぇかと疑う程


んな貴重な休みだが、良い機会なので大掃除する事となった

…任務続きで、二人共中々出来ないからな…



「どうしたのだ?」



俺の声に気付いたのか、別箇所を掃除していたネイガウスさんが歩み寄る

………ネイガウスさん、姉さん被りは止めようよ



『こんなの出てきた』

「…アルバム?」



ネイガウス宅に不似合いなカラフルな装飾のアルバムに、俺達は互いに首を傾げた

何でこんなのがある?



「……こんなモノ、あったか?」

『……記憶に無い』



そう。この部屋に、アルバムは無かったのだ

首を傾げつつ、俺はそっと表紙に手を掛けてみる



『……あ』

「これは…」



そこにあったのは、俺達がまだ若き頃の姿

中には奥村兄弟と、仲睦まじい姿を捉えた写真まである



『うわ、若っ!?』

「当然であろう。刹が小さい所を見ると…恐らく"コチラ"に来て、然程経過してない頃だろう」

『あぁ…確かに。ネイガウスさん、肌ピチピチ』

「…………喧嘩を売っておるのか?」



まぁ冗談はさておき

いやホント、懐かしいや



「この頃と刹は変わっておらんな」

『んな早々に変わってたまるもんか』

「老けたがな」

『るせっ!』



いつの間にかアルバムで、昔の話に華咲かせる

不意に頬に温もりを感じた



『ネイガウス、さん?』

「成長とは早いものだ、もうこんなに大きくなりおって」



柔らかな、穏やかで慈愛に満ちた瞳の奥に輝く光

その輝きに、俺は息を呑む


…この光は…愛しさの光だ



『ネ、イ…』



言葉を発する前に、俺の視界が黒一色に染まる

…抱き締め、られてる?



「刹、一度しか言わん」



彼の腕の中、耳元で囁かれる言葉に涙腺が緩む

ほんと…貴方は不器用な人…



『嫌と言っても、そのつもりだけど?』

「それでこそ刹だ」



愛しき者への囁き

(俺から離れるな、一生…な)


「兄さん、新しい写真増えたね」
「よし!んじゃまた、ネイガウス先生んちに行くか」
「じゃ、理事長に声掛けとくよ」
「頼んだぜ、雪男!」


***
翠嵐様リク、 連載主とネイガウスさんの甘甘な話…でした!
アルバムは獅朗さんが勝手に置いていき、後に奥村兄弟が後を継いで増やしてました(笑)

リクエスト通り甘々になってるでしょうか?(^^;
企画ご参加、ありがとうございました!

12.02.26



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