「小磯」

『何でしょう、隊長?』



航空自衛隊。岐阜基地隊員の一人、小磯凪

エースパイロットとして、実力を兼ね備えた優秀な女性自衛隊員であり、コミュニティツール【OZ】の創設者の一人であり

"夏の一件"を解決した一人である



「お前理一と、上手くいってんの?」

『普通、ですが』

「……………そか」



小磯は"夏の一件"以降、その名が世に知れ渡った。その卓越したPC技術もさることながら…冷静な判断力と統括力、先を見通す頭脳が称賛されていたのだが

そんな世辞等、本人は特に気にする事なく。通常勤務を続けている…昇格話まで蹴りやがったんだぞ、コイツ。あり得ねぇよ



『何か?』

「…いや」



一件に絡んだ結果
小磯は俺の同期生である、陣内理一と恋人関係になった。正直聞いた時は驚いたね、年離れてっからな。だが並ぶと似合いなので、まぁ良いか…と思っていたのが間違いだった

コイツら。仕事にかまけて、まともに会いやしねぇ。本当に付き合ってるのか?と疑問する程

面倒臭ぇヤツら…理一に連休を強引に取らせ、小磯にも連休を押し付けた
ったく。ここまで俺がお膳立てしてやったんだ、ヘマしたら男が廃るぜ?



■■■



「………アイツ…」



防衛大学時代からの悪友であり、今は凪の上官であるヤツに無理矢理連休を取らされた

アイツの表情から、何か企んではいるとは思っていたが…まさかこう来るとは



『理一、さん?』

「何でもないよ」



どうせ俺達が進展してない事をしって、ヤキモキしたクチだろう。アイツ以外と世話焼きだし、凪を気に入っているしな

……というか。これは俺に、発破を掛けてる様にしか取れない



『久々過ぎて、どこ行こうか迷うなぁ』

「…確かに」



言われてみれば凪に以前会ったのは、結構前…お互いあれから仕事が増え、気軽に会う事が叶わなくなった

OZを通じて会話は交わしているが、実際会うのは…かなり久々だな



「…凪、少し痩せた?」

『理一さんもでしょ』

「『…………」』



やはり互いに、仕事が圧迫している様だ。だが俺はともかく、凪が痩せるのはどうかと思う



「どうしても食生活が乱れてね。凪は?」

『………疲労かな』

「ねぇ。凪」

『はい?』



アイツのお膳立て、ここで上手く使わないと男が廃る

心臓の音が煩く響く



「毎日、君と一緒にいたい」

『……………』



年の差がある事は分かってる

けれど俺は彼女と共に居たい



「俺はこんなオジサンだけど、凪を幸せにしてみせる」

『…………』

「凪さん。俺と結婚して下さい」



涙をハラハラと流す彼女は、どこか美しく

その艶やかな唇から漏れた言葉は………



紡がれた言ノ葉

(健二君!アレ本当!?)
(はい。理一さん、僕の家に挨拶にいらっしゃいましたし)
(そっか〜凪さんがお嫁さんかぁ)
(………なんか、複雑)


***
名無し様リク『完結後。理一さんがプロポーズする話』でした

本編if、という感じで書かせて頂きました。夢主上司がデバってしまいました(^-^;
夢主が何と返答したかはご想像にお任せします←

大変遅くなりまして、申し訳ありませんでした
企画参加、ありがとうございます!

12.07.23.



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