とある日
ネイガウス宅に一枚の葉書が届いた



「ほぉ、元気そうだな」

『みたい。と言うか、意外と筆まめだったんだな』

【…マスター】



葉書の内容に、俺もネイガウスさんもルーも頬を緩ませる
差出人はと言うと…



「早いものだな。燐がヴァチカン本部へ赴いて、もう一年経つのか」



一年前にシュラと共に、ヴァチカンへ修行として旅立った燐からだった

何とか卒業の目処が立った燐に、本部の聖騎士殿直々に誘いの声が掛かったのだ。シュラがお目付け役で同行するという条件で、道化を説き伏せた訳だが…あの野郎、心境の変化でもあったんだろうか?



『京都支部に応援に行ってる雪男も上手くやってるしね』

【若君達の成長は嬉しいのですが、些か寂しいですね…】

『そりゃ思っても口にしないの』



同時期に雪男は、京都支部の応援に赴いた

京都支部は不浄王一件以降、世代交代が進んでるらしい

雪男は現在、次世代の祓魔師達への教育及び実戦監督をしているとの事。確かに特に人手不足な京都支部で、経験値不足は痛手過ぎる

因みに俺と契約していた黒凪を、この期間だけ雪男にレンタルしている。黒凪本人は



【マスターのお願いだし、雪男若君のお手伝いだし…】



という事で渋々納得して貰った。というか、レンタル出来たのが吃驚

だが本来この依頼、俺指名だったんだが…



『まぁもう暫くすれば、帰ってくるだろ。そん時に構い倒せ』

【そう致します】

「………オイ」



最近ネイガウスさんの突っ込みのキレが良いのは、ルーがボケに回ったからだろうか?

いや元々突っ込み体質?まぁいいか



【では私は買い出しへ参ります。マスターを宜しくお願い致しますね、イゴール】

「ああ、心配せぬともしっかり見ておる」

『二人共酷くね?』



近頃ルーのオカン度というか心配性が強くなってきている…まぁ仕方ないったら仕方ないんだが

ネイガウスさんと見送った後、つい顔を見合せて笑みを溢す



『燐も雪男も、帰って来たら驚くだろーなぁ』

「当然だろう」



俺にゆっくりと歩み寄ったネイガウスさんは、まるで壊れ物を扱う様に肩を引き寄せた

全く…過保護にも程があるだろう。くすぐったい様で、実は嬉しいんだが決して口にしない

彼の意外と逞しい胸板に寄りかかりながら、可愛い可愛い義弟達がこれからどんな反応を見せてくれるか…それを考えただけでも、口元が緩む



『ね。二人共すっげぇ兄バカになりそうな気がすんの、俺だけ?』

「安心しろ。俺も同意見だ」

『やはし?』



巡る輝き

(お帰りー)
(…姉ちゃん…)
(ね、姉さん?その赤ちゃん…)
(ん?俺達の子供)
((いつの間にっ!?))
(…やはりこうなるか)

***
昴琉様リク
『連載から少し未来軸、夢主とネイガウスと使い魔ズでほのぼのから甘な話』でした

使い魔ズというリクエストに添えてない気がします…(^^;)
こんな未来も良いかもしれません←

大変遅くなって、申し訳ありませんでした!
企画参加ありがとうございます!

12.07.14.



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