其の十


「Hey!てめぇら、楽しんでるか!?」

「「「「Yeah――――!!!」」」」



政宗の声を合図に、一斉に兵士達が沸き立って酒を煽る

その光景に鈴々音を除く幕末組は呆然

…当然の反応である



「……何だ、この騒ぎ様は」

『何時もの事だ』

「…これが、か?」



伊達軍ではごく当たり前の宴も、幕末組には引く位の勢いで

だがそれを知ってか知らずか、政宗は口を開く



「今日はめでてぇ話がある!知ってるとは思うが、鈴々音が帰って来たっ!!」



すると室内は大いに沸く

苦笑しながら鈴々音は、政宗の隣へと歩み寄る



『暫し留守にして、済まなかったな』



その言葉に室内の兵士達は歓喜の声を上げるやら、涙を流すやら

兵士達の彼女への信頼が高い事が、ここでも分かる



「それと新しい仲間が増えるっ!!」



政宗の言葉に鈴々音が続く

ゆっくりと彼女の視線が、小十郎の隣にいた幕末組に移す



『少し訳ありでな、腕前は俺が保証する。
右から土方歳三、斎藤一、風間千景、雪村薫、雪村千鶴。

土方は小十郎の補佐、薫は俺の補佐。斎藤と風間は部隊に、千鶴は女中に配属となる』



そこで何故か鈴々音は、言葉を切る

兵士達は不思議そうに首を傾げた



『それと先に言っておくが、千鶴は女子で戦えんからな?
手ぇ出したら…分かってるよな、テメェ等?」

「へ、へいっ!!」

「………おい」



鋭い彼女の眼光に、兵士達は震え上がる

幕末組はこれに苦笑しか浮かべられず、土方は思わず突っ込む




「さぁpartyの始まりだっ!今日はとことん呑めっ!!」


『千鶴と薫には酒を薦めんじゃねーぞ。ま、適度に騒げ』

「Yaaaa!」



(これが…伊達軍…)
(年中こんな感じだよ)


13.04.25.



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