行くぞ


背後霊の奈央との奇妙な生活が続いて暫く経つ。その間にいくつか分かった事がある

まず軽い物体なら持てる
自宅では良く料理ん時、重宝し。事務所では書類の整理を頼んでいる。これは奈央自身が言い出した事で、決して俺が頼んだ訳じゃねぇ

奈央との会話は主にPC
どうやらPCが使えるそうなので、園芸部不在時は好きに使わせてる。よって会話はPCを通じて、または印刷した紙経由になりつつあった


今日も今日とて、奈央はPCの画面の前にいる。画面には奈央が打った文章が並ぶ



【…このPC、かなり旧型だね】

「分かるのか?」

【ちょっちね、買い換えた方が早いよ。鳴海君、だっけ?彼の負担も減ると思う。確か高校生だったよね?】

「あぁ…高1だ」

【だったら尚更進めるよ。度々呼び出し食らってたら、溜まったもんじゃないよ】



奈央の言う事も最もだ
ウチの馬鹿共が度々園芸部を呼ぶのは、今に始まった事じゃねぇが…流石に気が引けてたしな



【PC操作だったら、私が教えるよ?】

「…選ぶのも任せて、大丈夫か?」

【勿論、任せて!四代目なら上手くネギれそうだねー】

「……るせぇ」



急遽決まったPC買い換え
口元の緩みに気付きもせず、俺は上着を羽織って歩を進めた



「行くぞ」



(よ、四代目っ!?これはっ!?)
(あ?この前、買い換えた)
(さ、最新型…)
((…オイ))

11.09.11.
11.09.20.移転

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