冗談じゃねーぞ!
事の起こりは、数ヶ月前
事務所内で一人、書類整理をしていた時だ
「あ?」
ふと気付くと、筆記用具が無く。探してみると机の下に落ちていた、おかしい。さっきまで使っていた筈…
「…なんだ、一体?」
それから似た現象が続いた
書類がバラバラにされたりだ、棚のファイルの順番が変わったり。挙げ句の果てに、自宅では読みかけの本の栞が変わってる始末
対した被害ではない
だがここまで続くと、正直俺でも気が気でない
「ったく…なんだってんだ…」
脳裏にヒソンの言葉が過る
「もしかして幽霊の仕業だったりしてね」
いやいや、幽霊って有り得ねぇだろ。実際声や姿を見た訳じゃねぇんだし。だが気になるのは確か。手頃な書類に、文字を書き記してみた
【オイ、テメェ誰だ?】
すると筆記用具が一人でに浮き、スラスラと文字を記し始めたじゃねぇか
【幽霊】
…………マジでか
【なんで俺に取り憑いてやがる?】
【さぁ、分かんない?気付いたら貴方の背中にいた】
分からないって何だ、分からないって!流麗な文字を見る限り女、か?
【俺は迷惑してんだ。ヨソ行け、ヨソ】
【試したけど、無理。なんかね、離れられない】
なんだと?ふざけんなっ!
【私は奈央】
―…こうして
【暫く宜しくね?雛村壮一郎さん】
俺と奈央の奇妙な生活が、幕を開けた
「冗談じゃねーぞ!」
(非日常現象はいらん!!)
11.09.08.
11.09.19.移転
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