俺の平穏を返せ
あれから、月日は流れ
奈央の存在しない平坂組が漸く戻った頃に
―…それは訪れた
「うわっ!?」
「何だっ!?」
室内に突然、嵐が舞う
待て。この現象は前にも…
――…ぶはっ!良い反応!「奈央っ!?」
――…四代目、皆!お久ー!テンション高っ!って違ぇ!何で奈央がいるんだ!!
「お前、身体に戻った筈じゃねぇのか!?」
――…これは軽ーいご挨拶代わりだよ、じゃ!
「おいっ!?」
どういうこった!
「…こ、こんにちわ…」
「あ?園芸部?」
今日は呼んでねぇ筈だが?
「……やり過ぎ」
『え?ふつーだよ』
「どこが!?」
園芸部と話してるヤツの声音は、聞き覚えがある。いやアイツは療養所にいるんじゃ…
『ども、ご無沙汰です!』
…………本人だ
どういうこった?意味分からん
「奈央、つい先日療養所を退院したんです」
『いやぁ大変でした』
笑ってはいるが、んな簡単な事じゃなかった筈だ。あれから一年も経ってねぇぞ?
『四代目さん』
「あ?」
俺の前に立つ奈央の瞳は、悪戯っぽい瞳だった。嫌な予感がする…園芸部も稀にこういう目をする時がある、んで大抵災難が降りかかってくる
気付くと俺の眼前に、奈央顔があった。ちょい待て…何が起きてやがる?
「……………」
『宣戦、布告』
奈央からキスされたと分かったのは、それから数十秒後
周囲のヤツらは、驚きで固まる始末
『んじゃ覚悟してねー』
奈央が去った事務所で、俺は盛大に溜め息を漏らした
「俺の、平穏を…返せ…」
Aria
(それは貴方にだけに歌う)
(love song)
11.11.02.
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