―――自衛隊に入隊なんて、当時は考えてもなかった
時を遡る事、数年前
凪がまだ高校に入ったばかりの頃
『…………』
進路についてのアンケートを受けた彼女は、用紙を空白で提出した
と、言うのも
進路について、考えた事がなかったからだ
『(個人的には安定してる方が良いんだよな…貯蓄出来るし、親に仕送り出来るし。そうすっと、何かと不便な所はあるよな…)』
凪が危惧しているのは、自身の出生
その独特な出生の故に陰口は勿論、過去バイト面接が幾つか落ちていた
『(っても…私の場合は、他の人達とはまた違うからな…仕方ないっちゃ、仕方ないんだが…)』
ふと彼女は、手元の携帯のメールBoxを開く
するとそこには
【就職するんだったら、ウチに来いっ!】
とのメールが
『(…OZに就職って…いやいや、マズいだろ。上層部が納得しねぇよ)』
メールは、OZの最高責任者から
実は凪はこう見えて、OZ設立者の1人
しかし携わったのは創設時のみで、現在は全くOZに関与していない
だがそれでも流石に元とは言え、彼女は列記としたOZ設立者の1人
その凪が、OZに就職するのはどうかと思われる
それにまず、彼女自身が納得していない
『……ん?』
不意に凪の足が急に止まる
その視線の先には、1枚のポスター
『……自衛隊、募集……』
自衛官募集のポスターに掲載されていたのは、爽やかな笑顔が似合う男性
ふと凪の脳裏に、選択肢が増えた
『……自衛官、か』
数日後
自衛隊の就職について調べた彼女は、正式に進路を自衛官へと決定した
それは自身の向上の為か否か
それは凪自身しか知らない
余談だか
彼女が見たポスターは、数日後にはある女子生徒によって姿を消していた
ポスターに掲載された男性は、数年はモデルをやらされたそう……
***
過去編シリーズ 4
夢主が進路に自衛隊と決めた頃の話
ポスターのモデルは、言わずがな理一です
←→