「………さて。どうしたものか」



陣内 理一の姿は、岐阜市内にあった


岐阜基地にとある仕事で、赴いていたのだが

彼の同期であり、凪の上司である男性に仕組まれ

ほぼ強引に2人は、市内に繰り出された



とは言え


付き合って1ヶ月経過したのにも関わらず、何の進展が無かったのだ

周囲はヤキモキするのは、至極当然である



「まさかアイツにカリを作る事になるとは…」

『お待たせしました!』



背後から聞き慣れた声が掛かり、理一は振り向く

すると途端に、目を見開いた



『お、おかしいですか?』

「…………」

『り、理一さん?』



只今の現状。理一は放心状態

それもその筈



『やっぱり、似合いませんよね…』

「い、いやいやっ!!似合ってるぞっ!!!」



いつもなら動きやすい服ばかり着る凪が、ワンピースを着ているのだ

うっすらだが化粧も施し、髪も纏めている



『本当ですか?良かった…あまり着慣れてないんで、不安で』

「…だろうね」



凪の性格を良く把握している理一は、僅かに表情を強張らせた

…彼女は余り、一般女性とは掛け離れてる慣性を持っているからである



「でも良くそういう服持っていたね」

『…友人に無理矢理…』



そう言うと凪は遠い目を明後日に向けた

言わずがな、友人とは前回出演した彼女である



「そ、そうか…」

『…折角ですし…でも着慣れてないからかな、違和感があるんですけど』

「大丈夫だ、似合ってるよ」



不安げに沈む彼女へ、理一は満面の笑みを零す

途端に凪は赤面



『(…理一さんて…たまに、さらっと恥ずかしい台詞言うよな…)』



赤面しつつも内心で突っ込むのは、もはや性分か

そんな彼女の想いとは裏腹に、理一は笑みを浮かべながら続けた



「さて…と。市内をゆっくり見て回ろうか」

『お勧めの場所がありますよ、案内します』

「ん、じゃあソコへ行こうか」



すっと、理一は凪へ手を差し出す

それに彼女は、首を傾げる



「手、繋ごうか」

『…………………………………はぃ』



より真っ赤になりながら、恐る恐る凪は手を繋ぐ

その姿に理一は苦笑



「さ、行こうか」

『ちょ、理一先輩ぃ!?』



穏やかな笑みを浮かべ、颯爽と理一は歩き出す


そんな彼とは対極的に

凪は頬を赤く染めながら、慌てて歩を進める



この日、2人が幸せな時間を過ごせた事は、言うまでもない



***
現代シリーズ、前回の続き←え

うっち様リクの夢主と理一のデート話でした
恋愛に疎い夢主は、理一に引っ張られ気味だと良い

うっち様、こんな感じで宜しいでしょうか?リクエストありがとうございました!





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -