小磯凪 25歳

航空自衛隊、岐阜基地所属


仕事の都合で岐阜に住んでいるが、実際は東京都内出身



『……てな訳で、1500を持って休暇になるから宜しく』

「はぁ!?」



今凪が話しているのは、彼女の同期であり同じ部隊の男性



「ちょ…待て!1500から休暇!?」

『そ。5日位』

「長ぇぇ!!」

『仕方ないだろ、OZの混乱止めてこい!っー上官命令』



溜息を漏らす彼女に、男性は目を瞬く



「は?…何でお前が、OZの混乱止めるんだ?」

『…OZの運営側に、知り合いが居る…』

「…マジで?」

『…隊長…その事知ってたみたいで、な…ついでに身内が関わってるから尚更…』

「……そら、適任だわ」



男性の驚愕の表情が、苦笑に変わる

凪は落胆しながら、荷物を纏め始めた



「身内って、今何処に居るんだ?」

『長野』

「…お前の実家、東京だろ?」

『何でも…高校の先輩の親の生家、に付き合ってるらしい?』



首を傾げながら説明する彼女に、男性も首を傾げる



「は?何だそりゃ?」

『ま、良いさ。家に閉じこもるよか、なんぼかマシさ』

「おいおい…そういや…陣内先輩、覚えてるか?」



男性の言葉に、凪は薄く笑みを浮かべた



『当然。陸上自衛隊所属、通称【陸上の貴公子】その、陣内先輩がどうした?』

「や…確か陣内先輩の実家って、長野じゃなかったか?」

『…マジ?』

「マジ。しかも!武家の血筋らしいぞ、先輩」

『(ん?夏希ちゃんも確か、武家の血筋じゃ…?でも苗字違うな…)』



彼女の脳裏に浮かぶのは、自身の弟と同じ位の女の子。疑問が浮かぶも、別の作業に取り掛かってしまったので、それは頭の隅へ追いやられる


現在彼女は特別に基地内で、私服を着用していた

その私服の上着の内側に、自衛隊専用回線を使った携帯と無線を

任務中は常にOffにしている、私物携帯に電源を入れた



「隊長に挨拶しなくて、良いのかよ?」

『…挨拶する暇があるんだったら混乱止めろ、とさ』

「隊長らしいな!」



丈夫なリュックを閉め、携帯で時間を確認する

時刻は14:59を示していた



『小磯 凪。1500を持って休暇とし、OZ混乱阻止に当たります』



凪が男性に対し敬礼をすると、彼も敬礼を返す



「1500より、引き続き了解。これより隊責任者を移行」



時刻は調度、15:00を示していた

すると二人は互いに不敵な笑みを浮かべる



「ヘマすんじゃねーぞ」

『るせぇ、任せろ』



*****



基地を後にした凪は、私物携帯を取り出す

そして携帯のアドレスを引き出し、ある人にかけた



『……あ、私だけど?ん、久々…でさ…TV見たんだけど。一体どういう事なのか説明してくれる、よね?』





*****





『…そう…とりあえず何とかなったの』

《はい、健二がやってくれましたよ》



十代の少年が嬉々と話す――健二の親友・佐久間 敬

彼女の視線には、渋滞でずらりと並ぶ車体の数々



『(ちっ!予想以上だな…少し遅くなるが仕方ねぇ、横道走るか)』



内心舌打ちすると凪は愛車を、車道から田舎道へと進路を変えた

真紅の愛車が光に照らされ、まばゆく光る



『…あの健二が、ね…佐久間君、陣内家の電話番号って分かる?』

《分かりますけど?》



彼はアカウントを奪われた健二に、陣内家の電話を通して仮アバターを作っている

陣内家の電話番号は既に把握済みだ



『御当主に直接連絡いれたいのよ…それと…

あの愚弟に一言、言いたくてねぇ…


《り、了解です…(…健二、ご愁傷様…)》

『(陣内家…まさか、な…)』



道ではない道を疾走しながら、彼女が目指すは…


――長野県、上田市 陣内家




***
夢主の階級は真ん中位と思って下さい。個人的には小隊長希望←決まってないんかい

佐久間とは健二を通じて知り合ってます
会話は特製イヤホンを使用



[モドル]


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