世界の命運を握る大合戦

その終止符が打たれ、歓喜する陣内家一同


だが凪が周りを見渡すと…あの立派日本家屋は半壊と言っていい程の、被害を受けていた

外からはカナカナと、ひぐらしの鳴き声が聞こえる



『……全員、喜ぶのはそこまで!』




彼女の凜とした声に、誰もが動きを止めた



『もう日が暮れる、飯にしよう』



*****



台所では凪を含む女性陣が、せわしなく動いている



「台所が無事で良かったわぁ」

「本当ですねぇ…」



明日の葬式に備え、皆それぞれの役目をこなす

男性陣と子供達は居間の片付けだ



『万理子さん、こっち上がりました』

「ありがとう、凪ちゃん」



手際良く凪が、次々と料理を仕上げていく

それに万理子は、満足そうに笑みを零す



「凪ちゃんがお料理上手で助かったわぁ」

「アンタ何でそんなに上手いの?私よか上手いわよね?」



相も変わらず直美は、出来上がった料理をつまみ食いしている

それに彼女は苦笑しながら、口を開く



『ウチは両親共働きで…父は海外に単身赴任中だし、母は遅くにならんと帰って来ないんで。

必然的に私が、家事全般をしてたんです。健二も赤ん坊の頃から面倒見てましたよ』

「あ、だから子供達の扱いに慣れてんのね?」

『Bingo!』



実際岐阜基地所属が決まるまで、凪は実家住まいだった

それは幼い弟の為――



「凪ちゃん、ウチにお嫁に来ない?」

『は?』

「あ、ソレ良い!ウチには独身男が4人も居るし!」

「でも凪ちゃん、理一さんと良い雰囲気ですよね」



奈々が零した言葉を聞いた女性陣は、一気に凪に詰め寄った



「ちょ、マジで!?」

「アンタ、理一の何処が良いの!?」

「そうなの?お似合いねぇ」

「凪ちゃん!理一のお嫁に来ない!?」

『だぁぁ!落ち着けぇぇ!単なる先輩後輩の仲だってのっ!!』




怒涛の様に詰め寄る女性陣に、彼女が叫ぶ

その声は家屋中に響き渡り――



***



『だぁぁ!落ち着けぇぇ!単なる先輩後輩の仲だってのっ!!』

「……台所で、何を話してんだろ?」



その声は広間にも、当然聞こえており

居間を片付けていた男性陣と子供達は、首を傾げた



「シシシッ。大方凪が、理一との仲を聞かれたんじゃね?」



癖のある笑い声を漏らす侘助に、皆が理一を振り返る



「何、お前らソウイウ仲なのか?」



と、ニヤつく頼彦



「お似合いじゃないか!」



と、笑みを漏らす邦彦



「あれ?でもお前ら、付き合ってたか?」



と、首を傾げる克彦

そんな皆に、理一は表情を強張らせながら口を開いた



「……待て待て。俺と凪は先輩後輩の仲であって、そんな仲じゃない。侘助、茶化すな」

「何言ってやがる。【あらわし】が落ちてきた時、しっかり抱きしめた癖に…俺は見てたぜぇ?」

「侘助っ!!」




思わず理一は叫ぶ…が、頬を染めているので説得力がない



「…僕、理一さんなら姉さんを任せられると思うんですが…」

「…健二君…」



健二が呟いた言葉に、理一は何故か落胆する

それを見た侘助は首を傾げた



「…お前、何戸惑ってやがる?アイツの器量は、お前を丸ごと受け入れる位だろ?」

「……だから、だよ」



理一の表情が、真剣な表情へと変わる

それに侘助は肩をすくめ、嘆息を漏らす



「凪はまだ若い…もっと良い奴と…ってどーせ考えんだろ」

「…まぁ、な…」

「阿呆か、お前」



呆れる様に吐き出した侘助の言葉に、皆が目を見開いた



「世間とかそんなの気にすんな。俺らは何があっても、てめぇらの味方だ…なぁ?」



彼の投げられた言葉に、皆が力強く頷く



「…みんな…」

「お前はお前らしくすりゃいー訳」

「…この、お節介が…」



皮肉そうに呟く理一だが、その表情は晴れやかなものだった




***
理一と陣内家の心情

侘助と理一は微妙な関係だと良いな←おい



[モドル]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -