開始の掛け声が掛かると同時に、ナツキの手札を見た皆が次々と口を開く
≪手札はまぁまぁね≫
≪何から狙う?≫
≪ここは手堅く…≫
深く息を吸ったナツキは、前を見据える
そして次々と札が舞い、手札を取っていく
≪よしそれだ!≫
≪それそれ!≫
≪ちょっ…それ切んのか!?≫
≪桜だ桜!≫
≪違うって!≫
≪ちょっと黙って!≫
背後のギャラリーに思わずナツキは叫ぶ
彼女が腕を上げると、三枚の札が、彼女の背後に並んだ
≪青タンだ!≫
【"こいこい"しますか?】
ナビゲーションと同時に二択の選択肢が現れる
≪≪≪こいこい!≫≫≫
≪こいこい!≫
【ナツキさん、
"こいこい"です】
場の札が、更に勢いを増して舞っていく
【三光です
"こいこい"しますか?】
≪こいこい!≫
【タンです
"こいこい"にしますか?】
すると画面上に現れた、勝利の表示
〔NATSUKI !!!WIN!!!!〕
【ナツキさんの勝ちです
UNKNOWNさんの26のアカウント
がナツキさんへ移動します】
「「「やったぁ!!」」」
歓喜を上げる陣内一家
夏希は安堵の息を漏らす
「こりゃ良いや!」
「奴さん、てんで素人だ!」
「ちっちゃい頃からばあちゃんに仕込まれた私らをナメるんじゃないよ!」
息を整えた夏希は再び画面へと向かい、皆もそれにならう
【26のアカウント
が移動します】
ラブマシーンが所持するアカウントが移動し始める
〔412,308,249〕が〔412,308,223〕に減る
≪4億分の26か…≫
≪次よっ!≫
一息ついたナツキは次の試合へと進める
【親のナツキさんが
レートを決めて下さい】
レートを10に引き上げるナツキ
そして再び始まった、激しい戦い
【三光です】
【花見で一杯です】
【四光です】
次々に現れるWINの表示
【タネです
雨四光です
猪鹿蝶です】
数々の手札が彼女の背後に、ずらりと並ぶ
【ナツキさんの勝ちです】
次第にラブマシーンの身体が崩れ始めた
レート表示が再度現れる
【ナツキさんがレートを
上げました】
≪こいこい!≫
彼女の掛け声と共に
≪こいこい!≫
背後には手札が並ぶ
≪こいこい!≫
それは21連勝という、破竹の勢いが示していた
「夏希先輩すげぇ…この短時間で30万以上のアバターが開放された…っ!」
佐久間が見るモニターのアカウントは、次々とナツキに流れていく
彼はそれを息を呑んで、目を見開く
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[モドル]
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