OZ内の一部に、赤く点滅している箇所…それこそポイントの座標


カズマはタワーから出ると、OZ内を滑走する

それをラブマシーンが追い掛ける



辿り着いたのは、周りと不似合いな純和風の城門


建物内に入って行ったカズマを追ったラブマシーンだが、カズマは扉の裏に身を潜めていた


彼が入ったのを確認するとカズマは、直ぐに外へ出る





「掛かった!」

「佐久間!」



健二の掛け声に、佐久間は素早くキーボードを叩いていく



「予定通り!凪さん、行きます!」

『あいよ!』



彼女もまた素早くキーボードを叩いていき、凪と佐久間が同時にエンターキーを押す

鈍い音を起てて、スパコンが起動した





それと同時に、ラブマシーンが入った建物の門が閉まる

必死に開けようとする彼だが、門は開く事なく


外周事態が日本家屋の門造りへと、変貌していく

塔が変貌を遂げて行く毎に、建物内の扉は次々と閉まる


そして残された扉を発見したラブマシーンは、急いで向かうが

その扉もカズマが外側から閉めていく

そして最後の扉が、カズマの手で閉められた



周囲から歓喜が上がる





「やったぜ!ばあさん!佳主馬が止めたぜっ!」



小型ゲーム機を持ちながら、万助は佳主馬の頭を撫で回す



「頼彦さん達、出番です!」

『締め、任せました!』



「おう、任せとけ」



車内で携帯をいじる頼彦、外では万作がお坊さんと話を付けてる



「ゲーム歴30年の、俺達をナメるな!」



こちら邦彦

渋滞の待ち時間を縫って、同じく携帯を弄る



「最近ロクにやってないけどな」



上田市役所の前に車を止め、邦彦も携帯を弄る





≪久々に大技、決めさせて貰うぜっ!≫



ここからは頼彦達、三人の出番

健二と凪が、前もって彼等を説得していたのだ


それは聴診器を持っている犬、ヘルメットを被った犬、クレーンとアームが付いた犬のアバター


カツヒコが鉈で消火栓のカバーを勢いよく外し、クニヒコが手際良くスプリンクラー用送水口にホースをセット

最後にヨリヒコがクニヒコの背にあるハンドルを回し、水を送り込む


水の心配は不要だ、ホースに繋がっている先は大きな湖なのだから



三兄弟ならではの、合わせ技が見事に決まる

城内ではスプリンクラーの穴が、次々と現れて水が勢い良く放出された


その水圧に耐えかねたラブマシーンは、波打つ水の中へと沈んでいく





「やったぁ!」

「やった!」



太助は満面の笑みで健二に抱き着き、理一も笑みを浮かべる



「これ、父ちゃんのアバター?」

「ああ」

「オレらもこれにする」



裕平と真悟が万助に絡みながら、画面を凝視した



「バパかっこいい!」



真緒は佳主馬にそう言いながら、笑みを漏らす

佳主馬の膝の上には、いつの間にか加奈が座っていた



「かっこいー」



画面を食い入る様に見詰めていた凪だったが、重く息を吐き出す



『……ふぅ……』



肩の荷が降りたと言わんばかりに、彼女に穏やかな笑みが浮かぶ




同時刻



【8回の裏!上田高校勝ち越しの3ランです!!】



了平の上田高校が、勝ち越した

これにTV前で栄の写真を持ちながら、応援する由美は大歓喜



「キャーーッ!!!」




[モドル]


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