「どいつもこいつも…それでも陣内家の人間かってんだっ!」

「さっきは済みません…」



室内から凪と女性陣の姿が消えた後、健二は謝罪を口にする

そこには頼彦達を除く、男性陣が残っていた



「出過ぎた事を言って…」

「いや、君の意見は正しい。勿論凪の意見もだが」



落ち込む健二に、理一が励ましの言葉を投げる

彼は続けて口を開いた



「人を守ってこそ、己を守れる」

「それ自衛隊のモットー?」



理一の前に座っていた太助が、首を傾げて問う



「いや【七人の侍】の台詞だよ」

「いいや、そりゃ母ちゃんの口癖…いや親父だったかな?」

「さっすが、武士の末裔」

「そんな事より、太助おじさん」

「ん?」



理一と太助の間に座っていた佳主馬

愛用のPCを眺めながら、口を開く



「店でパソコン、扱ってるよね?」

「勿論」

「コレより、良いマシンある?」

「そりゃ勿論」



太助の回答を聞いた佳主馬は、開いていたPCを閉じる


「……佳主馬君、もしかして…」

「ヤツと、どう戦うかって話」



健二に視線を向けた彼は、淡々と述べる

その瞳には、強い意志の光が宿っており



「リベンジだね!」



そして健二もまた、同じ光を瞳に宿していた



***



『よぉ、生きてるか?』

《メインサーバー復旧やら何やらで、猫の手も借りてぇ位だ!ちったぁ手伝いやがれえっ!》




健二達がリベンジを決意した頃

凪は離れの外で再び、OZの運営側と電話を交わしていた



『ラブマシーンをどうにかしてやるよ』

《マジでか!?》



相手の声色が一気に上擦る、余程苦労している様だ



『おうよ、その代わり条件あんぜ。奴を叩くんだ、それ位飲めよ?』

《…内容にもよるな》



凪は空を見上げ、口を開く



『リベンジ、する。
一部のフィールドをプロテクト構築まで書き換える、許可下ろせ』

《…また、んな無茶苦茶な。メインサーバーはまだ使えないんだぜ?その範囲だと、強力な外部サーバーが必要になるぞ?》



そう、今OZのメインサーバーは使えない

復旧活動でパンク寸前なのだ


彼の言う通り何処か強力で、演算処理機能が高い外部サーバーが必要になる



『そこは問題ない、アテがある。お前は許可さえ下ろしゃ良い』

《…何か策でもあんのか?》

『無かったらリベンジしねぇと思うが?』

《………》



彼女の言葉に相手は暫く沈黙し……



《良し!許可してやる!ただし!後で詳しい作戦内容教えろよ!》

『あいよ』



そして凪へ作戦内容報告する事を条件に、許可を下ろした

彼女は通話し終わると、またも携帯アドレスを検索する



『…あ、佐久間君?おはよ』

《…あれ、凪さん?どうしたんですか、こんな朝から…》



その相手は健二の友人、佐久間



『ごめんね、こんな朝早くから。ちょっと協力してくれないかな?』

《…何なんですか?何しようってんですか?》



物理部の室内で佐久間は眼鏡をかけながら、彼女に問い掛けた



『合戦だよ』

《…合戦?》

『そ。ラブマシーンを叩く、リベンジだ』

《…健二は?知ってるんですか?》



最もな質問に凪は笑みを零す



『今は…陣内家の男性陣とリベンジを決意した頃だろう。

佐久間君、君には先に内部工作を進めて貰えるかな?』

《オレは、何をすれば良いんですか?》



彼の言葉に彼女は、不敵な笑みを浮かべた



『流石話が分かるねぇ、佐久間君。

OZの一部フィールドを書き換える。勿論運営側の許可付き』

《…運営側って…》



凪の言葉に、流石の佐久間も目を見開く

運営側の許可など、普通早々に下りるものではない



『とにかく時間が惜しい。
まず基盤構築を進めて、いざとなったら物理部OBに私の名前言っても良いから』

《分かりました!》



佐久間との通話を終了させた彼女は、踵を返した


***
夢主と運営側の関係は後々…





[モドル]


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