翌日
『お早うございます』
「お早う、翠。ん、時間ピッタリ」
仕事の説明がある、と
前日に雲雀経由で報告を受け、指定された時間に綱吉の元へ訪れた
「じゃ早速、仕事の説明に入るね。基本翠の仕事は、本部内の家事全般」
『はい』
「これについては獄寺君から、指示を貰ってね」
綱吉の言葉に違和感を感じ、つい首を傾げる
『獄寺様はボスの右腕的存在…と伺いましたが?』
「あー、うん…本当は獄寺君にも仕事あるんだ…一応以前もメイドは雇ってたんだけど…幹部目当てで来るミーハーが大半でね…で、仕方無く…」
そう言うと綱吉は重い溜息を漏らしながら、頭を垂れた
まぁ幹部が、この面子だからな…
『心中お察しします…承知しました。至急仕事を覚え、獄寺様の負担を軽減出来る様に致します』
分かりやすい程に分かる…どうせまともな仕事しないクチだったんだろう…
「ん、お願い。仕事を上がる時は俺に報告して、俺が不在時は雲雀さんに報告して上がってね」
『承知しました』
「そうそう。本部には幹部の他にも、一般の居候の女の子が居るから」
その言葉に、つい目を微かに細めてしまう
『…一般の方、ですか?』
雲雀と哲が言ってた女、だろうな
うわ…うざってぇな、おい…
「うん、ちょっと訳ありでね。俺達が保護してるんだ、仲良くしてあげて」
『承知しました』
…個人的には嫌なんだが、仕事だから仕方ない
「綱吉さぁ〜ん!」
刹那
バンと入口を派手に開けて、小柄な女の子が飛び込んで来た
……何だ……この違和感は?
「…唯…何時も言ってるだろ、ノックしろって…」
「エヘヘ、ごめんなさ〜い!」
溜息を漏らす綱吉とは対象的に、唯と呼ばれた女の子はニコニコと笑うだけ
……会話聞いてる限りじゃ、常習だなこりゃ
「ありゃ、見知らぬ方?」
「あぁ…今度住み込みのメイドとして働く事になったんだよ」
『翠、と申します。これから宜しくお願いします、姫様』
穏やかに笑んでみると、彼女ははにかむ様に照れた
「唯が姫様ぁ?嬉しい〜私如月 唯!宜しくね!!」
必然の出会い
>姫様かぁ〜
>(チョロイな…餓鬼で馬鹿じゃねぇか)
>…(翠って、何者?)
11.02.28.